新興国に埋もれた才能と先進国を結ぶ、アフリカ発のユニコーン「Andela」が描く未来
「AI時代」のビジネスを支援
アンデラは現在、より直接的なマーケットプレイスに移行し、あらゆる人材をそのパフォーマンスを追跡し管理するソフトウェアと共に企業に提供している。同社を通じて派遣された人材は、他社の人材派遣モデルを使用する場合と比べて、新しいアプリのリリースやユーザーインターフェースのリニューアルなどのプロジェクトを約3分の1速く完了すると、同社が調査を依頼した最近のフォレスターの報告書には書かれている。 ■「AI時代」のビジネスを支援 企業が機械学習やChatGPTなどの大規模言語モデルでの作業に特化したスキルを持つ人材を求める中、同社の人材派遣モデルは、AI時代のビジネスにとってより魅力的になるはずだと、ジョンソンとチャンは主張する。アンデラ自身もAIを使用して、企業に派遣する候補者をより速く、より効果的に探し出しているとチャンは付け加えた。 「単なるオフショア人材を見つけるためのサービス会社は、魅力的に思えない。私がアンデラに来た理由は、私たちのテクノロジーが、まだ初期段階にあるこの分野を変革するためのツールになると考えているからだ」と彼女は語った。 一方で、新興国の契約労働者を先進国の大手に送り込むアンデラのビジネスモデルは、批判も浴びている。企業が支払った額の3分の2を自社の取り分とする同社の過去のビジネスモデルは、2020年にBig Technologyの記者であるアレックス・カントロウィッツが報じたように、アフリカの労働者からの反発に直面した。 しかし、以前は開発者の住宅やその他の費用を負担していたアンデラは、そのモデルを脱した今、自社の取り分を3分の1に押さえている。しかし、一般的に広く愛されているとは言い難い人材マーケットプレイスのビジネスモデルは、チャンの前職であるウーバーも含め、同じ論争に直面するのが常だ。 そんな中、ジョンソンとチャンは、アンデラの企業としての使命が、優れた能力を持つ個人のために、適切な価格の仕事を提供し、新たな機会を創出していくことだと述べている。そのメッセージは、同社の主要な出資元の一つ、マーク・ザッカーバーグとプリシラ・チャンが設立したインパクト投資団体のチャン・ザッカーバーグ・イニシアチブ(CZI)にも支持されている。 CZIのマネージングパートナーでアンデラの取締役を務めるビビアン・ウーは、「アンデラは、常に世界中の才能と機会をつなぐ最前線に立っている。キャロル・チャンのリーダーシップの下で、同社が展開する次のフェーズに期待している」と声明で述べている。 ジョンソンは、今後もアンデラの取締役会にとどまるが、フルタイムの役割は持たないという。彼は、2014年にオンライン教育事業のスタートアップの2Uを上場させており、新たなスタートアップに取り組む可能性もあるが、「私の人生で大切な何人かの人が、それを望んでいない」と語った。
Alex Konrad