デスクワーク効率を爆上げする4万円「小型キーボード」 パソコンを買い替えても文字入力の感覚が変わらない
■薄くてもしっかりとした打鍵感 今までに紹介してきた2つのキーボードは、ある意味ではクラシックなスタイルだ。80年代から連なるパソコン用キーボードのように、背の高いキートップで深いキーストロークを実現している。このタイプのキートップをスタンダードプロファイルと呼ぶ。 この、スタンダードプロファイルと呼ばれるタイプのキーボードは使いにくい、というユーザーも多い。ノートパソコンの薄いキーボードに慣れ親しんできた人々だ。キートップもフラットのほうがいいという声もある。その需要に合わせて開発された小型高級キーボードの1つが、Lofreeの「Flow Lite 84」だ。
一見すると、デザイン性を重視したキーボードだと感じるが、この製品も優れた打鍵感を持っている。安価なキーボードと異なり、キーの端を押しても緩みがなくしっかりと押せる。また最初に押しはじめたときは軽さを感じるが、キーが反応する底突き手前で重さが増すことで弾力感を演出している。剛性が高いのに柔らかい印象もあり、独特の打鍵感となっている。スイッチメーカーと共同で開発した独自のメカニカルスイッチが功を奏している。
ストロークが短いために、軽やかに文字入力ができるといったメリットもある。555グラムという重さだが、しっかりとした作り込みが欠かせない高級キーボードのなかでは比較的軽量、というのも見逃せない。 ■製品によって異なるこだわりポイント 小型の高級キーボードといっても、製品によってこだわりポイントが異なる。個人的には、自宅やオフィスに置いて使うならHHKB StudioかRC1 Keyboardをお勧めする。特にHHKB Studioはマウス機能も備えているため、作業スペースが狭い場所でも高い生産性を発揮する。RC1 Keyboardの売りはやはりファンクションキーの存在だ。さまざまなアプリの機能を1ボタンで呼び出せるファンクションキーもまた、生産性アップの重要なポイントとなる。Flow Lite 84は全体的に薄い作りのため、出張に持っていきやすいというメリットがある。
三者三様の特徴があるため、自分好みの性格をもったキーボードを選び、文字入力時の相棒としてほしい。
武者 良太 :フリーライター