ルノーがF1エンジンプログラム終了を正式に発表。アルピーヌは2026年からカスタマーチームに
アルピーヌは、2025年末にF1パワーユニット(PU)部門の活動を停止することを発表した。ルノーF1エンジンの設計・製造を行ってきたビリー-シャティヨンのファクトリーは、アルピーヌとルノー・グループのためのエンジニアリングセンター『ハイパーテック・アルピーヌ』という施設に生まれ変わる。 【写真】アルピーヌは2026年からメルセデスのPUを搭載することを検討、両者は協議中といわれる ルノーは、2026年に新たなパワーユニット規則が導入されるのを機に、F1エンジンプログラムを終了することを検討してきた。現世代のパワーユニットにおいて、ルノーは苦戦し続け、現在ルノーのパワーユニットを搭載する唯一のチーム、アルピーヌは、第18戦終了時点でランキング9位に沈んでいる。 F1エンジン活動中止のプランについては、ビリー-シャティヨンの従業員からは大きな反発があり、抗議活動も行われた。ファクトリーではすでに2026年型パワーユニットの開発が進められていたが、今回の決定により、アルピーヌF1チームは、2026年からはワークスではなくカスタマーチームとして、他マニュファクチャラーのパワーユニットを搭載してF1に参戦することになる。アルピーヌはすでにメルセデスと交渉しているものと考えられている。 9月30日、アルピーヌは、ビリー-シャティヨンに新しいハイテクエンジニアリングセンター『ハイパーテック・アルピーヌ』を設立すると発表、そのなかで、F1エンジンプログラムを終了することを確認した。 「従業員代表との協議プロセスで建設的な議論が行われ、独立した評価が実施された。その結果、アルピーヌの経営陣は、2024年中にこの施設をエンジニアリングとハイテクの卓越性の中心地に変えるプロジェクトを確認する」とアルピーヌは述べている。 「ビリー-シャティヨンに拠点を置く、このエンジニアリングのセンターオブエクセレンスは、2024年中に運用を開始し、グループおよびブランドの将来のプロジェクトに取り組みながら、モータースポーツにおける確固たる地位を維持する」 「この拠点の変革には、現在F1エンジンに割り当てられているリソースと能力の再配分が含まれる。このプロジェクトに携わる各協力者には、ビリー-シャティヨンの『ハイパーテック・アルピーヌ』内でのポジションが提供される」 「ビリーでのF1活動は、新しいエンジン開発を除き、2025年末まで継続される」 『ハイパーテック・アルピーヌ』では、アルピーヌのスーパーカー、将来のバッテリーテクノロジー、新しい電気モーター技術、モータースポーツプログラム(世界耐久選手権WECや、カスタマーレース、パートナーブランドのレース、フォーミュラE、ラリーレイドなど)の分野が設けられ、また『F1モニタリングユニット』も設立される。 「ビリー-シャティヨンの従業員代表との協議プロセスと対話を経て、アルピーヌは、F1モニタリングユニットを設立することを決定した」とアルピーヌは述べている。 「このユニットの目的は、従業員のF1に関する知識とスキルを維持し、『ハイパーテック・アルピーヌ』のさまざまなプロジェクトにおいてイノベーションの最前線に立つことである」 アルピーヌCEOフィリップ・クリーフは次のようにコメントした。 「この『ハイパーテック・アルピーヌ』センターの設立は、アルピーヌの開発戦略、さらに広くはグループのイノベーション戦略にとって重要なことだ。これは、ビリー-シャティヨンの拠点の歴史における転換点であり、ノウハウの継続と、グループの野心的な未来へのその希少なスキルの組み込みを確実にするとともに、アルピーヌの“イノベーション ガレージ”としての地位を強化する」 「そのレーシングDNAは、ブランドの礎であり続ける。『ハイパーテック・アルピーヌ』により、アルピーヌは前例のない産業および自動車プロジェクトを推進し続ける」 [オートスポーツweb 2024年10月01日]