上司が「すぐ教える」と部下は成長しない?仕事のスピードを上げる近道は、自分で考える力を身につけること
2024年4月から、建設業・ドライバー・医師の時間外労働の上限規制が適用されました。働き方改革が進められる一方、「会社は『残業を減らせ』と言うけれど、仕事量は増えるばかり…」と悩む方もいるのではないでしょうか。そのようななか、F6 Design株式会社 代表取締役の山本大平さんは「限られた時間で多くのタスクを片付けるためには、『結果』を出すための最短ルートをたどることが大切」と話します。今回は、山本さんの著書『「すぐやる」よりはかどる!仕事を「短くやる」習慣』より一部引用、再編集してお届けします。 【書影】やることがたくさんある人のための時短のコツ。山本大平『「すぐやる」よりはかどる!仕事を「短くやる」習慣』 * * * * * * * ◆上司は「教えない」、部下は「聞かない」が最速の近道 こんな人は要チェック! ◇先輩に相談ばかりしている人 ◇部下の指導に悩んでいる人 誰かに聞いた方が手っ取り早い? すぐに答えが見つからない問題に直面すると、多くの人が「誰かに聞いた方が手っ取り早い」と思いがちですが、仕事を短くやるためには、自分で深く考える習慣を身につけた方が、結果的には近道となります。
◆賢く他力を使うのは、自分で考え抜いた後 すぐに人に聞けば、その問題だけは確かに短くやれるかもしれませんが、仕事で遭遇する問題は正解がわからないことばかりですから、何かあるたびに人を頼りにしていたのでは、短くやるための「自活力」が身につきません。 まずは自力でトライしないと、いつまで経っても自分で考えられるようにならず、永遠に時間的コスパが悪いままです。 自分の知恵だけで問題を解決できる方が、圧倒的に時短化できます。 最近では、「賢く他力を使う」という発想が注目を集めていますが、それは自分で考え抜いた後の話です。
◆「すぐ教える」と部下は成長しなくなる 安易に人に頼るのではなく、自分で何度も考えてみて、どうしてもダメならば人に聞く……くらいのバランス感覚を持つことが必要です。 自分で考えていたのでは、「逆に時間がかかるだろう」と思うかもしれませんが、答えがわからないタスクなど山ほどありますから、長期的な視点で見れば、決して遠回りではないのです。 この「安易に人に頼る」ことの問題点は、上司やチームリーダーなど、部下をマネジメントする立場にある人もきちんと理解しておく必要があります。 仕事の効率を上げるために、「こうやったらいい」とか、「あれをやってはダメ」とすぐにアドバイスをしていたのでは、自分の頭で考えなくなりますから、部下の成長スピードにブレーキをかけることになります。 それが、マイクロマネジメント(上司やリーダーが部下の行動を細かく管理・チェックする過干渉ぎみのマネジメント)の出発点でもあるのです。
◆自分で考えるように仕向けていく 安易にアドバイスしてしまうと、部下は本質的な問題に気づかないまま解答を与えられることになるので、応用力が身につかず、たくさんの仕事を同時並行で継続的に短くやる能力を手に入れることができません。 マネジメントする側から考えれば、自分で考えるように仕向けていくことが、効率よく仕事を進めていくためには大事なポイントです。 短くやるコツ 自分の頭で考える力をつけることが、仕事のスピードを上げる近道! ※本稿は、『「すぐやる」よりはかどる!仕事を「短くやる」習慣』(クロスメディア・パブリッシング)の一部を再編集したものです。
山本大平