伝説のキャバ嬢から年商35億円経営者へ。愛沢えみり「女性が活躍し続けられる社会を目指したい」
「素」の自分を見せられる大事な場所がYouTube
水野:一方でYouTubeチャンネル「愛沢えみり」は2019年2月からスタートし、今やチャンネル登録者数は60万人に迫る勢いです。キャバクラ嬢を引退する前から始められたんですよね。きっかけは何だったのですか? 愛沢:YouTubeを始める当時は、すでにキャバクラ嬢を引退することが決まっていました。「引退イベントの様子を動画で残しておきたい」というシンプルな理由から、YouTubeを始めたんです。 その後、引退イベントの様子を放映したところ、多くの反響をいただきました。愛沢えみりの新たな門出をみんなに見てもらうことができたことは、本当に印象に残っています。最近では娘との日常生活や、親友とのプライベートな映像なども配信しています。 水野:そうした飾らない姿を楽しめることもえみりチャンネルの良さだと思うのですが、YouTubeの影響力を感じることはありますか? 愛沢:ありますね。「いったいどこで私を知ってくれたんだろう?」という主婦の方や、20代の方は、たいていYouTubeを見てくれているようです。そういう意味でも、知名度アップには間違いなくYouTubeだと確信しています。昔はブログを、少し前はインスタグラムなどのSNSでしたがやっぱり伝えられる情報量の多さは動画にはかないません。 水野:具体的にはどんな部分が動画のメリットだと思われますか? 愛沢:動画って10分という長い時間を視聴者の方からいただくわけじゃないですか。なかなか10分もその人をじーっと見るってあまりないですよね。 そんな状況で10分間、その人の映像と言葉が入ってくるから、おそらく自然とその人のことを好きになってくれるんだと思うんですよね。 もちろん、内容によっては嫌いになる可能性もありますが、それよりも私は「好きになってもらいやすい」ほうにかけて動画を出していくのがいいと思います。 水野:影響力は間違いなく出るという一方で、登録者数の伸び悩みなどが気になり、始められない方も結構いますよね。その点、どんなふうにとらえればよいでしょうか。 愛沢:今はたしかにレッドオーシャン化していて、難しい部分もあると思います。ほとんどの人が知らない有益な情報を届けられるとか、ビジュアルがいいなど、特長がないと難しいのは間違いありません。 ただ、その一方で「長く続ける」ことができないのもYouTubeの世界ではよくあることです。私は更新ができないときもありましたが6年間、続けられています。だからこそ、今これだけの影響力があると思っています。 たとえ特長がそこまで打ち出せなくても「長く続ける」ことこそが、最大の差別化になるのではないでしょうか。 水野:たしかに、長く続けていくことでインフルエンサーさんやユーチューバー同士でのつながりができたりとか、そういった横のつながりは期待できそうですよね。 愛沢:それは絶対あると思います。私もYouTubeをやっていたからこそ実現したコラボもありましたし、YouTubeをやっていなかったら出会えてなかったタレントさんは何人もいます。 特に経営者の方はYouTubeを始めるのはメリットしかないと思います。自分の会社の宣伝が無料でできる。また、社長のマインドを広く発信できる。それだけでも効果は抜群ですし、これらの動画が採用する際には「情報」として大きな価値を持ってくれます。 水野:「経営者は四の五の言わずにYouTubeをやる」一択ですね。 愛沢:間違いないです。ただ、動画撮影も大変ですし、継続していくのは相応の覚悟も必要です。時に更新が止まってしまうこともあると思いますが、月に1本でも継続し続ける、というある意味「ゆるさ」も大事だと思います。 水野:愛沢さんもそういった経験があるんですね。 愛沢:はい。私はキャバクラで働いていたのは24歳までで、それから30歳までは数えるくらいしかお店には出勤していなかったんです。ただし、完全にキャバクラ嬢を辞めることはせず継続していました。 そうやって辞めなかったおかげで、多くの出会いもありました。24歳でスッパリお店を辞めていたら、おそらくYouTubeもお店のプロデュースもしていなかったと思います。 興味が移り変わることもありますし、飽きてしまうこともありますよね。だから、そんなときは無理せず休む。だけど辞めない。そうやって私はYouTubeを6年間、続けてくることができました。 水野:なるほど。どんなことでもいきなり辞めずに、「徐々に別のことにシフトしていく」ということが成功の大事なポイントなのですね。