人工衛星 SDO(米国 NASA)で観測された太陽画像(左:白色光、右:紫外線)

　情報通信研究機構(NICT)は9日、同日午前10時56分に太陽面中央付近に位置する黒点群で、大型の太陽面爆発現象(太陽フレア)の発生を確認したと発表した。この影響で10日深夜以降にコロナガスの地球到来が予測され、人工衛星の障害や衛星利用測位システム(GPS)を用いた高精度測位の誤差の増大などが生じる可能性があると呼び掛けている。 【関連写真】探査機 SOHOが観測したコロナガス放出の様子。中心部の白丸が太陽の位置を示す 　NICTによると、地球方向への大規模なコロナガスの噴出や高エネルギーのプロトン粒子の増加が確認され、2～3日以内にコロナガスが地球に到来・通過することが予測されている。 　この影響で地磁気嵐が発生し、地球周辺の宇宙環境が乱れる可能性がある。NICTは「地球周辺の人工衛星の障害や GPS を用いた高精度測位の誤差の増大、短波通信障害などが生じる恐れがある」として、宇宙システムの利用について注意喚起している。