【梅雨前に登りたい難読山】西上州の最高峰「御座山」って読めますか? 気になるシャクナゲの咲き具合もレポート
■夏山シーズン前のトレーニングにうってつけ
歩き始めから山頂まで、明瞭で登りやすい登山道が続きます。稜線に出る少し前にある鎖場と山頂周辺の岩場は注意が必要ですが、特別危険な場所はありません。 それよりもこのルートの核心は、ひたすらスイッチバックを繰り返して急坂を登り続けることです。なかなかの修行系ルートであることは、事前に覚悟のうえでお出かけください。夏山シーズン前に、しっかりとトレーニングを積んでおきたいという方にはうってつけです。 稜線に出るまでは、巨大な木々が立ち並ぶ森の中をひたすら登っていくのですが、道中唯一わかりやすいポイント、不動の滝はちょうどいい休憩スポットになるでしょう。冬は見事な氷瀑にもなるそうです。 その先は、ミツバツツジがちらほら咲く中をさらに登り続け、鎖の張られた岩場を通過して御岳神社が現れたら、山頂まではあと少しです。
■山頂からの絶景は、おおいにご褒美感あり
ゴツゴツした岩の稜線を歩き、真新しい避難小屋を右手に進むと、やっと森が切れて視界が開けたところが山頂です。 ここまでずっと森の中を登り続けてくるため、ここから見られる壮大な景色はかなりのご褒美感があります。特に南から北まで丸っと見える八ヶ岳は圧巻です。
■梅雨入りまでに登っておきたいわけ
梅雨前の時期に登っておきたい理由としては、標高とルート的に梅雨明けはかなり蒸し暑くなりそうなことに加え、6月までは山頂周辺で白やピンクの美しい花を咲かせるアズマシャクナゲが見られるからです。 この花を目当てに、毎年足を運ぶ登山者も多いのですが、常連さんが言うには残念ながら今年の咲き具合はいまひとつとのこと。しかし、例年の凄さを知らなければ、十分満足できるくらいのシャクナゲが咲いていました。
■下山後のお楽しみも満喫しよう
下山後は、南相木村にある「滝見の湯」に立ち寄るのがおすすめです。 登山口の看板をスマホで撮影して受付で見せると、入湯料が100円引きになり、なんと400円で利用することができます(2024年5月現在)。温泉施設はとても綺麗で、湯船の種類も多く、しかもサウナ付き。これで400円とは、かなりお得があります。 食事やお土産探しは温泉の食堂もいいし、帰りしなに国道141号線沿いをパトロールするのも楽しいコースです。今回は、いつ覗いても地元民が多く集まっている人気店「レストラン141」で、名物の味噌カツと卓上コンロで焼き肉をしばいて帰りました。大満足。 ぜひ、雨が降り始める前に御座山へ足を運んでみてください。 池田 圭(いけだ けい) 編集・ライター。登山、キャンプ、サーフィンなど、アウトドア誌を中心に活動する編集・ライター。共著に『”無人地帯”の遊び方 人力移動と野営術(グラフィック社)』。これまで編集を手掛けた書籍に『焚き火の本』、『焚き火料理の本』(ともに山と溪谷社)、『山グルメ』、『クリエイティブ登山思考』(共にエイ出版社)、『サバイバル猟師飯』(誠文堂新光社)など多数。 @hammock_hiking @takibi_ryorinohon 矢島 慎一(やじま しんいち) カメラマン 埼玉県秩父市生まれ。趣味は写真撮影と野鳥観察。登山専門誌『PEAKS』にて、写真講座「そろそろ本気で撮るぜ山写真」を連載中。 共著に『”無人地帯”の遊び方 人力移動と野営術(グラフィック社)』。
池田 圭,矢島 慎一