新紙幣発行によって現金決済はどう変わる?なるべく現金を使わないキャッシュレス派の家計管理術
2024年7月3日に新紙幣が発行されました。現在、お財布の中は旧札と新札が入り混じっている状態ではないでしょうか。 ◆通貨流通高と日本銀行券発行高の推移をグラフで見る 近年キャッシュレス化が進み、なるべく現金決済はしないという人が増えてきています。新紙幣が発行されても現金決済はこのまま衰退していくのか、今後の決済手段の展望について解説します。 さらに、キャッシュレス決済で心配なこと、キャッシュレス決済の使い分けや管理方法など、キャッシュレス派の家計管理術も紹介します。 ※編集部注:外部配信先ではハイパーリンクや図表などの画像を全部閲覧できない場合があります。その際はLIMO内でご確認ください。
新紙幣が発行された訳は?
新しい1万円札、5千円札、千円札が発行されて3か月ほど経ち、新紙幣にも見慣れてきた頃ではないでしょうか。 新しいお札が発行されるのは2004年11月以来20年ぶりです。なぜ今お札を新しくするのか、その理由について、政府広報オンラインによると、「お札を新しくする目的は、偽造対策の強化とユニバーサルデザインの向上」としています。 新しいお札には、高精細のすき入れが採用されており、とても細かい線で構成しているため偽造をより困難なものにしています。さらに、3Dホログラムが採用され、立体的な肖像が左右に回転するデザインとなっており、この技術が紙幣で使われるのは世界初です。偽造対策がこの上なく施された紙幣となっています。 もう一つの理由である、ユニバーサルデザインの向上は、年齢や国籍、障害の有無にかかわらず、誰もが使いやすいように工夫されています。 指で触ってお札の違いを識別できる「識別マーク」の位置の変更や額面数字の拡大、色味による見え方の違いなど、ユニバーサルデザインがさらに工夫されています。
紙幣の流通量はどのくらい?
近年のキャッシュレス化によって、紙幣の流通量は変化しているのでしょうか。日本銀行の通貨流通高統計データから、紙幣の流通量の推移がわかるグラフを作成してみました。 通貨流通高とは、市中に出回っている日本の通貨(紙幣と硬貨)の合計金額です。日本銀行券発行高とは、市中に出回っている紙幣の合計金額です 2010年から2023年までの変化をみてみると、2022年までは通貨流通高、日本銀行券発行高ともに右肩上がりに増えていますが、2023年から減少に転じています。 通貨流通高は129兆9228億円(2022年)から129兆3684億円(2023年)に、日本銀行券発行高は125兆683億円(2022年)から124兆6080億円(2023年)に減っています。このまま減少傾向が続くのでしょうか。