新紙幣発行によって現金決済はどう変わる?なるべく現金を使わないキャッシュレス派の家計管理術
キャッシュレス決済のメリットとデメリット
財務省の「通貨に関する実態調査(令和5年度)」によると、キャッシュレス決済と現金の利用状況を聞いたところ、可能な限りすべてキャッシュレス決済を利用している人の割合は38.5%と最も高くなっています。 同調査で、クレジットカードを利用する理由、コード決済を利用する理由の1位はどちらも「利用するとポイントが貯まること」でした。現金決済よりお得であることが利用を促しているようです。 一方で、キャッシュレス決済を利用してない理由については、「現金に不便さを感じていないから」(54.2%)の次に「キャッシュレス決済だと、お金を使いすぎてしまう心配があるから」(23.6%)がきています。 また、「キャッシュレス決済だと、どれだけお金を使ったか分からないから」も20.8%と多くなっています。
キャッシュレス派の家計管理術
キャッシュレス決済では、「どれだけお金を使ったか分からない」「お金を使いすぎる心配がある」などのデメリットを多くの人が感じているようです。 そこで、キャッシュレス派の家計管理術のポイントをご紹介します。 ●支出ごとにキャッシュレス決済の種類を決めておく 食費はAのクレジットカード、光熱費や通信費はBのクレジットカード、コンビニやファーストフード店ではコード決済など、支出の種類によって、使うキャッシュレス決済を決めておくと、支出管理がしやすくなります。 ●キャッシュレス決済の種類は3種類程度まで絞る ポイントを効率よく貯めるために、またポイント管理や支出の把握がしやすいように、キャッシュレス決済の種類はできるだけ絞るようにしましょう。 ●利用明細を確認する 定期的に利用状況をWeb明細やアプリなどで確認するようにしましょう。家計簿アプリとキャッシュレス決済を紐づけて一元管理すると便利です。 ●事前にチャージするタイプのキャッシュレス決済を利用する どうしても使いすぎてしまう場合は、コード決済や電子マネーなど、予算を決めて事前にチャージして使うタイプのキャッシュレス決済を利用します。予算をオーバーした場合は現金決済に切り替えるなどのルールを設けましょう。 キャッシュレス決済の多くは利用履歴が記録されるため、現金決済よりも家計管理は楽にできます。しかし、キャッシュレス決済の種類が多くなると把握できなくなってくるので、管理できる数まで絞りましょう。 そして毎週、毎月など、定期的にチェックして、使いすぎていないか振り返ることが重要です。継続的に記録をつけることで、支出の傾向がわかってくるでしょう。
参考資料
・国立印刷局ホームページ ・政府広報オンライン「2024年7月3日、新しいお札が発行!」 ・日本銀行 Bank of Japan「通貨流通高 」 ・METI/経済産業省「2023年のキャッシュレス決済比率を算出しました 」 ・経済産業省「キャッシュレス将来像の検討会 (概要版)」 ・大和総研「キャッシュレス化の現在位置と今後の展望」 ・財務省「通貨に関する実態調査(令和5年度)
石倉 博子