【宮野真守さんインタビュー】『僕のヒーローアカデミアTHE MOVIE ユア ネクスト』「“ヒーローとは何か”というメッセージ性が多くの人の心に大事なものを残す」
現在・過去・未来
主人公の出久と同年代の10代の頃に思い描いた自分と、今の自分にはどんな違いや一致がありますか。 「10代の頃、自分がどんな大人になっているかなど、はっきりとは考えたことはありませんでした。ただもう必死で、どうしたらこの世界で生きていけるのか、そればかりを考えていました。運よく声優の仕事に出会うことが出来て何とか一命を取り留めた、みたいな感じなので、本当に感謝しかありません。子役の頃はなかなか上手くいきませんでしたが、刷り込みのように“この世界でやってくんだろうな”と思っていて。でも、どうすればうまくいくか、その方法論も分からなかった。 小さい時は習い事の延長線上みたいな感覚もありましたし、必死さが全然足りなかったとも言えますが、段々と高校生くらいになると先のことを色々考えなければならず、人生で最も悩んだ時期でした。あれから何十年経ちますが、こうして今の自分があるのは、目の前のこと1つ1つをやって来たから。ただがむしゃらだった時期もありますが、その1つ1つ乗り越えて来た経験は、自分に自信を与えたと思います。やっても出来なかった時代の劣等感が根底にあるので、出来ていくことが楽しかったんだと思います」 今は“何がやりたいのか、何を頑張ればいいのか分からない”という人も少なくありません。 「逆に僕はやりたいことが多過ぎましたが、酷な言い方をすれば、それは自分で見つけるしかないことですよね。ただ、立派でなくちゃいけないとか、何かやりたいことを見つけなきければいけないという、その考え方自体が違うのかもしれない、とも思います。それって単に大人の押し付けかも、と感じたりもします」 ところで、常にご多忙だと思いますが、もし好きなことをする時間があるとしたら何をされますか? 「昔からテレビが好きで見て来たことが、今の自分のエンタメ力に繋がっているので、今もよくテレビを見ますし、テレビを見る時間が大好きです。くだらないことで何も考えずにゲラゲラ笑いたいんです。だから時間が空くと、よくお笑い番組をザッピングして観ていますよ。世間では“テレビ離れ”と言われますが、僕は逆に、ドラマやバラエティに出させていただくようになって、その反響の大きさがスゴイので、やっぱりテレビの影響力はとても大きさを感じています。全然テレビ離れなんて進んでいないんじゃないか、と思っています」