【バスケ】「うまくいかない事を…」琉球ゴールデンキングスの平良彰吾、チャンスを手繰り寄せたB3時代の徹底した“自己研鑽思考”
人生を変えるチャンスでも「初心忘れず」
吉報が届いたのは、今年の10月上旬。横浜エクセレンスのチーム練習が始まる前、エージェントからスマートフォンに一本の電話が入った。「レンタル移籍の話があるんだけど…」。一瞬、B3の他チームからのオファーだと思ったという。が、次の言葉に面を食らい、以下のようなやり取りが続いた。 「キングスなんだけど」(エージェント) 「えっ…」(平良) 「まだ話は決まってないけど、自分はどう思う?」(エージェント) 「行かせてもらえるなら、もちろんやりたいです」(平良) 即答した背景には、「沖縄でバスケットをしたいという気持ちが以前からあったから」だと言う。ホームコートが沖縄アリーナという好環境なことに加え、荒川颯は拓殖大学時代、植松義也は福岡時代のチームメイト。「毎年先祖にウートートー(沖縄の方言で、仏壇などに手を合わせること)するために沖縄には来ていたので」と、多くの親戚の前でプレーできることも嬉しい要素の一つだった。 移籍後の自己評価には、手応えと課題感が入り混じる。 「ディフェンスの面では貢献できている部分が多いかなと思いますが、チームディフェンスのやり方や相手のスカウティングではもっと良くしていく必要があると思っています。オフェンスでは、ベンチから出た時にいい流れを継続したり、もっと流れを良くしたりすることができるガードになりたいです」 レンタル移籍の期間が延長され、自身のプロキャリアや人生そのものを大きく好転させる上で「すごいチャンスが来ている」という自覚はある。これを機にB1に定着したいという思いも強い。でも、先は見過ぎることはない。 「まずはキングスのためにプレーし、結果を残して、貢献できる選手になることが今一番大事なことです。評価はそれに続くものだと思っています。シーズンはまだまだこれから。初心を忘れずにやっていこうと思います」 足元から目線を逸らさず、ひたすら自分磨きを続けていく。それこそが、自らのキャリアを切り開いていくための最善の方法だということを、平良は知っている。
長嶺 真輝