円は対ドルで153円半ばに下落、米利下げ観測後退-実需のドル買いも
(ブルームバーグ): 11日の東京外国為替市場の円相場は1ドル=153円台半ばに下落。株高や堅調な経済指標で米国の利下げ観測が後退したことが背景にある。
あおぞら銀行の諸我晃チーフマーケットストラテジストは、前週末に円が他の通貨に比べて買われた修正が入っているほか、午前は実需のドル買いも入ったようだと指摘。ただ、「きょうは首相指名選挙くらいしか材料がなく、次第にドルの上値は重くなっていくのではないか」と述べた。
ソニーフィナンシャルグループの石川久美子シニアアナリストは、値幅は限定的ながら週明けとあってドルの需要があるようだとした上で、「米大統領選、米連邦公開市場委員会(FOMC)と大きなイベントが立て続けに終わったばかりで、いったん市場の様子見姿勢が強まっている」と述べた。
11日は特別国会が召集され、衆参両院は石破茂首相(自民党総裁)を第103代首相に選ぶ見通しだ。SBIリクイディティ・マーケットの上田真理人金融市場調査部長は、石破氏が首相に選出されても「順風満帆とは行かず、日経平均株価が下落する可能性がある」とし、ここからドルは買いにくいと言う。
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Hidenori Yamanaka