「ジュラシック・パークぐらいうるさい」騒音やふんなどで住民を悩ます 全国各地に「ムクドリ」の大群 嫌がる音や光で対策も解決せず
今、ムクドリの大群が全国各地に現れ、騒音などで住民を悩ませている。 FNNは、対策に乗り出している街を取材した。 【画像】各地で騒音などが住民を悩ます「ムクドリ」
「ジュラシック・パークぐらいうるさい」
滋賀・草津市でカメラがとらえたのは「ムクドリ」。 何百羽いるのか、数え切れないぐらいのムクドリが一斉に木の方にやってきた。 このエリアを“ねぐら”にしているのか、次々と木に止まると、けたたましい音で鳴く。 アプリで音の大きさを調べてみると、ゲームセンターの店内と同レベルの80dB(デジベル)という結果に(参考値)。 近くで働く人: すごいです。ジェラシック・パークぐらいうるさい。ここは何?みたいな。雨が降ったあとは、ふんが半生状態になって、もうすごく臭いですね。 今、このような状況になっている場所が全国各地にある。
かつて行われた駅周辺の開発が影響?
SNS上に投稿されたムクドリの集団をとらえた映像。 共通するのは、駅の付近や商業施設が立ち並ぶ市街地であることだ。 いったいなぜなのか。 専門家は、かつて駅周辺で行われた開発が影響しているのではと指摘する。 都市鳥研究会・越川重治副代表: (かつては)ケヤキの防風林がたくさんあって、そういうところに集まっていた。ムクドリって、ケヤキが非常に好きなんですよね。駅前にケヤキをたくさん植えたので、それが戦後だんだんと大きくなって、それでまず来たんじゃないかと思われますね。 ムクドリがねぐらにした街路地の目と鼻の先にある滋賀・草津市の住宅では、庭にテラスがあるというが…。 街路樹近くに住む岩城良夫さん: 会話が聞こえないようなぐらい音(鳴き声)の時もありますしね。 ーー(記者)昔はもっと優雅にご飯を食べられる場所でしたか? 街路樹近くに住む岩城良夫さん: そうです!ここで1日本を読んだりね。それが大好きでね。そういうものが最近、あまりにもストレスがたまるような場所になってしまって、残念だなと思っています。
ムクドリと悪戦苦闘続ける滋賀・草津市の職員は…
そんなムクドリと悪戦苦闘を続けているのが、草津市の職員だ。 まず、ムクドリがすみ着く木を剪定(せんてい)したが…。 滋賀・草津市道路課 寺田新一さん: 切ってない木に移るっていうことがあるので…。 解決には至らず。 かといって、せっかく整えた街路樹をすべて切るわけにもいかない。 そこでムクドリの嫌がる音を出し、追い払う作戦を実施。 街路地の前を端から端まで歩き、ムクドリの一掃を狙う。 しかし、150メートルほど歩いてみると…。 滋賀・草津市道路課・寺田新一さん: あそこですね。 ーー(記者)すごく、また鳴いてますね。 滋賀・草津市道路課 寺田新一さん: 音が鳴る方向とは逆方向に逃げてきたっていう形に今なってますね。おそらく一時しのぎかなと。 結局、ムクドリは少し移動しただけだった。 時間がたつと、同じ場所に戻ってきてしまうのだという。 実は、鳥獣保護法により、ムクドリは許可なく駆除することが禁じられている。 そのため、現実的な選択肢は“追い払う”ことのみだ。 草津市では、辛抱強く取り組んできたということだが、根本的な解決はまだ見えない。 滋賀・草津市道路課 寺田新一さん: 追い払っても、時間がたつと帰ってくるとかという、“いたちごっこ”のような感じになっているので、市としても大変苦慮しているところではありますね。