副業のつもりが、逆にお金を支払う羽目に…20代の女性が狙われる「スキマ」副業詐欺に要注意
「空き時間にSNSで「『いいね』を押すだけ」、「スタンプを送るだけ」……
インターネット(SNS)で高額報酬の「闇バイト」に応募した若者による強盗が全国で相次ぐ。一方、女性をターゲットにしたとみられるネット上の「副業サイト」に応募し、詐欺などのトラブルにあう人が増えているという。 【騙しの手口は…】「送金額に応じて、報酬も多くなります」おかしいと気づいたときには… 「空き時間にSNSで『いいね』を押すだけ」、「スクリーンショットを撮るだけ」、「スタンプを送るだけ」で高額報酬という副業サイトがある。応募すると、さまざまな理由で振り込みを指示され、高額報酬は得られなかったと、国民生活センターに相談が寄せられている。 ◆「あなたのミスでチーム全員が損した」⇒処理費用15万円を支払う 今年5月にセンターへ相談した30代の女性は、子育てしながら副業を探していた。「動画SNSを見るだけ」という広告に、メッセージアプリで申し込んだ。指示通りに仕事(タスク)をして数百円を得た。 その後、もっと高額の報酬の仕事があると紹介され、その仕事をするには事前に送金が必要で、送金額に応じて報酬も多くなるなどと誘われてアプリに登録し、指示された1万円を指定の口座に送金。このタスクは、4人1組のチームでデータを入力し、事前に支払った1万円に上乗せした1万数千円が振り込まれた。 次に女性は3万円を払ってデータを入力すると、「あなたのミスでチーム全員が損した」と言われ、処理費用15万円を指定口座に振り込んだ。さらに「次のタスク完了で戻ってくる」と言われて約40万円を振り込み、タスクを完了したが、報酬などの引き出しには約70万円が必要と言われ、おかしいと気づいた。 振込先の口座は、ほぼすべて異なる個人名の口座で、そこに女性は生活費をすべて振り込んでしまったという。 20代の女性のケースも今年5月のセンターに相談があったもので、SNSでスクリーンショットを撮ると数百円程度の報酬が得られるという仕事だった。1日で約1万円の報酬があり、最初は振り込みがあった。その後、操作ミスを指摘されて約15万円を支払い、さらにタスクの失敗を理由に約30万円を請求されるなど、おかしいと気づいた。 別の20代の女性も今年5月にセンターへ相談した。画像専用SNSで動画アプリの再生回数を増やす仕事に登録し、メッセージアプリでやり取りした。指定時間に動画アプリのスクリーンショットを撮って送ると、ネットの財布のようなアプリに報酬が支払われた。ときどき特別のタスクがあり、一定金額を振り込むと、それに上乗せした報酬が支払われた。 この女性は財布のようなアプリから、最初は1万円を引き出すことができた。その後は引き出しに時間がかかるようになり、手続きも複雑になっていった。そんなときに、仕事のミスを指摘され、あとで回収できると言われて約10万円を支払った。いろいろと口実をつけて請求があり、おかしいと気づいた。 ◆国民生活センターへの相談件数が激増…… 気軽に簡単な仕事で稼げるという副業をめぐるトラブルの相談件数は増えており、国民生活センターによると、昨年度に3694件あり、そのうち約64%がSNSをきっかけとしたもの。今年度も7月末までの4ヵ月で950件あり、前年同期の703件から急増し、SNSをきっかけとするものが約70%に上昇した。平均契約購入額も、今年度は約106万円と、昨年度の約76万円から拡大している。 こうした副業をめぐるトラブルの相談件数を’20年度から今年7月末まで、年代や性別に国民生活センターがまとめている。それによると、20代を中心に若い世代、男性よりも女性に多い。20代の女性は4176件と、突出して多くなっている。