副業のつもりが、逆にお金を支払う羽目に…20代の女性が狙われる「スキマ」副業詐欺に要注意
若い女性にトラブル相談が多いことについて、国民生活センターの担当者は次のようにみている。 「若い女性に、すき間の時間の副業ニーズが高まっています。相談事例を見ていると、家にいて子育てをしながら、仕事を探している方もいます。 メッセージアプリでやり取りをしていると、子育て中の女性を模したアカウントを紹介されてやり取りすることもあり、疑わずにのめり込んでいくようです」 同じように、子育てをしながら気軽に稼いでいる女性がいると思うと、たとえそれが「サクラ」であっても気づかず、安心するのかもしれない。子育て中などの若い女性たちが在宅で、気軽な仕事で稼いでいるかのような印象操作をしていると、担当者はみている。 一方、こうしたトラブルになりやすい副業をみていると、「仕事の内容が明確でなく、高額報酬のものが多かった」と国民生活センターの担当者は話す。最初は仕事の報酬を支払うが、その後はいろいろと口実をつけて、仕事のミスや違約金などを請求してくる手口が多いという。 ◆「サポート料金」「保証金」……13億円規模の被害も! 「二次被害」にも要注意 副業をめぐって、事件になったケースもある。 今年11月下旬には、出会い系サイトの「サクラ」の仕事などを持ちかけ、暗号資産をだまし取ったとして、警視庁などの合同捜査本部が、詐欺容疑で詐欺グループメンバーの男女22人を再逮捕したと報道されている。全国の約3000人からサポート料金をだまし取り、13億円規模の被害が出ているという。 高知県警の『こうちのまもり』というサイトでは、副業をかたる手口として、「副業名目で保証金などを支払わせるもの」を挙げている。手口が巧妙で、被害に気づいたときは高額になっている傾向がみられるという。 この高知県警のサイトは、副業を認める企業が増え、副業への関心が高まったことなどが背景にあると分析し、高齢者以外の被害も目立つ傾向にあるとしている。高額報酬副業などと「利益を誇張する広告は詐欺の危険性があります」と注意を促している。 すき間の時間を利用した副業については、消費者庁の担当者も「SNSの手口は手を替え品を替え、お金が儲かると見せかけて入金させます」と話す。 消費者庁は『SNSなどを通じた投資や副業といった「もうけ話」にご注意ください!』というサイトで、「儲け話をすすめられたら、まずは疑いましょう」と注意を喚起する。説明に不信感を抱き、疑問を持ったら、すぐ消費生活センターなどへ相談するよう呼びかけている。 さらに、消費者庁のサイトは「被害回復をうたった二次被害にあう可能性もあります」と指摘する。 ネットには被害の回復を手伝う法律家などの広告サイトもあるが、すべての専門家が被害者に寄り添ってくれるとは限らない。自らのビジネスを優先し、高額の着手金などを求めながら、被害の回復に至らないケースもあるようだ。 国民生活センターは、①「簡単に稼げる」、「もうかる」と強調する広告は詐欺の可能性がある、②安易に個人情報を開示しない、③お金を稼ぐはずが振り込みを求められたら消費生活センターなどに相談してください、などとアドバイスしている。 取材・文:浅井秀樹
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