三重県の新たな南北軸「鈴鹿四日市道路」の整備はどこまで進んでいる? 渋滞緩和と災害対策で地域の安全と発展に期待大。【道路のニュース】
国土交通省 中部地方整備局の三重河川国道事務所は、三重県の鈴鹿市と四日市市を結ぶ鈴鹿四日市道路の整備を進めている。北勢バイパスと中勢バイパスを接続し、地域経済や住民の生活を支える新たな南北軸となる見込みだ。いま現在、整備はどのくらい進んでいるのだろうか。 【図】鈴鹿四日市道路のルートは? 図で確認!
鈴鹿市と四日市市を結ぶバイパスの整備が本格化!
国道23号のバイパスとして整備される「鈴鹿四日市道路」は、北勢地域で渋滞が常態化している国道1号や国道23号を補完するための南北幹線道路として計画された。現在整備中の国道1号「北勢バイパス」と開通済の国道23号「中勢バイパス」をつなぎ、鈴鹿市と四日市市を結ぶ重要な南北軸となる。 北勢地域は製造業を中心に産業が集積する重要な経済拠点である。しかし、周辺の幹線道路では慢性的な渋滞が発生しており、製品の輸送効率低下や居住者の移動の妨げとなっている。 鈴鹿四日市道路を整備することで、国道1号や国道23号に集中する交通量を分散できる見込みだ。開通後は平均速度が現況の約32km/hから41km/hに向上し、所要時間は13分の短縮を見込んでいる。また渋滞を起因とした追突など交通事故の減少にも期待が寄せられる。 また、南海トラフ巨大地震が想定される三重県沿岸部は、現道の国道23号の約6割が津波浸水リスクのある区間となっている。鈴鹿四日市道路の開通で新たな迂回ルートが形成されることで、災害時の避難や物資輸送などを支援する道路としても機能する。 国土交通省の三重河川国道事務所は、鈴鹿四日市道路について2024年7月に都市計画事業の承認を受け9月には事業説明会も実施している。いよいよ工事が本格化するとみられる。 鈴鹿四日市道路の四日市側と接続する「北勢バイパス」も、今年度(2024年度)に延長4.1kmの部分開通を控えている。今後の整備の進捗を見守っていきたい。
文=KURU KURA編集部 資料=国土交通省 中部地方整備局 三重河川国道事務所