Apple、Bose、JBL、B&Wが主役だった!? 2024年のワイヤレスイヤホンを振り返る
2. JBL「TOUR PRO 3」
2024年10月に登場したJBLの「TOUR PRO 3」(実勢価格:4万2900円前後)は、“多機能フラッグシップ”という個性を際立たせた1台です。特に、ディスプレイ付き充電ケースを搭載するユニークさが目を引きますが、ケースで音楽の再生制御や通知確認ができる実用性も備えています。 音質面でも抜かりがありません。10mmダイナミックドライバーとBAドライバーによるデュアル構成で、パワフルな低音と繊細な中高音を両立。LDACコーデック対応、JBL独自のPersoni-Fi 2.0機能によるパーソナライズなども機能豊富。 選出理由は、この多機能性と音質のバランスにあります。Boseやソニーが静観する中で、独自のアプローチで市場を攻めたJBLの挑戦は、フラッグシップモデルの新たな可能性を示したと言えるでしょう。
3. Bowers & Wilkins「Pi8」
2024年9月に登場したBowers & Wilkins(B&W)の「Pi8」(実勢価格:7万2600円前後)は、据え置き型スピーカーで知られる英国の超高級ブランドが放つ完全ワイヤレスイヤホンのフラッグシップモデル。ハイエンドオーディオの音質基準をワイヤレスイヤホンに落とし込むことに成功した、音質マニアが選ぶ今年の傑作モデルです。 12mmカーボンコーン・ドライバーと左右独立のデュアルDAC、さらにaptX LosslessとaptX Adaptiveに対応し、最大96kHz/24bitのハイレゾ音源再生がポイント、ということになりますが、スペックだけを見れば似たような機種は他にもあるワケで、技術要素で語り切れない世界最高峰の音質の作り込みこそが、本当の価値です。オマケに機能面では充電ケースにはUSB-Cを介したトランスミッター機能もあります。 個人的には、2024年のイヤホン市場で「最高音質」を誇るのは間違いなくこの「Pi8」だと思っています。価格が7万円超と他社フラッグシップを越えた高額過ぎるモデルではありますが、音楽を高音質で聴く喜びは、価格分だけの価値がありますよね。B&Wが据え置きスピーカーで築いた名声を完全ワイヤレスイヤホンでも見事に体現した1台です。