「厚生年金なのに月10万円未満」という人は少なくない!低年金になる理由と対策方法
厚生労働省の「2023(令和5)年 国民生活基礎調査の概況」によると、65歳以上の高齢者世帯の59.0%が「生活が苦しい」と回答しています。 ◆【年金の受給割合グラフ】国民年金・厚生年金の受給割合を棒グラフで比較 昨年度に実施された同調査では、「生活が苦しい」と回答した高齢者世帯は48.3%であったことから、生活が困窮しているシニア世代が年々増加していることがうかがえます。 「生活が苦しい」と感じる高齢者世帯が多い背景として、近年続く物価高も要因としてありますが、「年金額の少なさ」も大きく関係しているのでしょう。 老後の大きな収入源となる「公的年金」は、現役時の給与と比較すると少ない傾向にあり「厚生年金なのに10万円以下」という人も実は少なくありません。 6月の会見で岸田総理は「低所得世帯や年金生活世帯等への追加の給付金を検討する」と述べましたが、今後の総裁選でこの行方がどうなるのか注目が集まるところです。 では、老後に受け取る年金が「少なくなる人」とは、どのような人なのでしょうか。 本記事では、老後に受け取る年金が「少なくなる人」の特徴とともに、その対策方法について詳しく紹介していきます。 国民年金・厚生年金それぞれの平均月額・受給割合も紹介しているため、参考にしてください。 ※編集部注:外部配信先ではハイパーリンクや図表などの画像を全部閲覧できない場合があります。その際はLIMO内でご確認ください。
私はどの年金タイプを受け取れる?公的年金の構造をおさらい
「将来自分が年金をもらえることは知っているけど、どの年金タイプを受け取れるかよく分かっていない」という方もいるのではないでしょうか。 そこでまずは、日本の公的年金の構造からおさらいしていきましょう。 結論からお伝えすると、将来受け取れる年金は、現役時の働き方によって変わります。 ・国民年金のみ受給:自営業者・フリーランス・専業主婦など ・国民年金と厚生年金を受給:会社員・公務員など 国民年金と厚生年金は2階建て構造となっており、1階部分にあたる「国民年金」は、日本に住む20~60歳未満の人が原則加入対象です。 国民年金の保険料は一律であり、仮に未納なく40年間保険料を納め続けていれば、満額受給が可能です。 一方で、2階部分は「厚生年金」となっており、国民年金に上乗せして支給されます。 主に会社員や公務員などが加入対象で、保険料はその人の年収によって変動します。 では、「国民年金」と「厚生年金」それぞれで、いくら年金を受給できるのでしょうか。 次章にて、平均額と受給割合についてみていきましょう。