「私がオリンパス社長シュテファン・カウフマン(56)にコカインを売った」違法薬物の売人が5時間にわたって独占告白した“衝撃の内容”とは
取材班が世界的企業トップの薬物情報を摑んだのは昨年2月。それから1年8カ月間、疑惑を追い続け、計3度にわたって“現場”をカメラで捉えた。社長辞任直後に、売人を直撃すると――。 【衝撃の現場写真】昨年2月11日の深夜、カウフマン氏がX氏と落ちあい数十秒で“取引”は終わった ◆ ◆ ◆
カウフマン氏に違法薬物を提供していた売人による通報
〈私は幾度となく違法薬物の配達を頼まれシュテファン・カウフマン氏に配達してきました。(中略)その様な関係が2年近く続いておりました〉 A4コピー用紙には「内部調査依頼の件」と記されていた。東京・八王子市にあるオリンパス本社にレターパックが届いたのは、9月24日午前10時過ぎのことだ。文書の内容は、同社社長(当時)のシュテファン・カウフマン氏(56)の薬物使用に関する情報提供だった。 実は、同社に「通報」し、社内調査を求めたのは、カウフマン氏に違法薬物を提供していた売人のX氏だ。同封されていたのは、テレグラムなどのアプリでやり取りされた18通に及ぶ通信記録の他、カウフマン氏が利用する複数のアカウントのスクリーンショットである。 「同様の文書は、同月22日午前に竹内康雄会長の自宅マンションにも届いていました。それらの資料には外部の人間が知り得ないカウフマン氏の個人情報が含まれていた。事態を重く見た竹内氏は警視庁に相談し、社内調査を進める判断を下したのです」(オリンパス関係者) 10月3日には竹内氏の自宅とオリンパス本社に2通目の配達証明郵便が届く。続いて、社外取締役の市川佐知子弁護士が所属する田辺総合法律事務所と、社外取締役の藤田純孝氏の自宅にも文書が郵送され、次第に同社上層部は危機感を募らせていく。 10月13日夜9時15分、竹内氏は自身のGmailアドレスから次のような文面をX氏に送信している。 〈レターいずれも拝受し、現在事実確認を行っております。オリンパス株式会社 代表執行役会長 竹内康雄〉 捜査関係者が次のように明かす。 「オリンパスから通報を受けた警視庁は、実は、カウフマン氏にすでに違法薬物使用の嫌疑がかかっていたことを明かし、今年6月18日に家宅捜索していた事実を伝えた。当時、彼はその事実を会社に隠していたようだ」 薬銃課の捜査と社内の調査が進む中、竹内氏はX氏に対し、次のようなメールを送信している。 〈調査に最大限の努力をしておりますが、当社にとって極めて重大な事案であり、慎重な検討が必要であるため、事実確認に時間を要しております〉(10月25日午後3時31分)