「大阪生まれの在日コリアン3世」が、韓国留学で気づいた「ソウルと東京」の意外な共通点
タトゥーを入れる若者が多い
ソウルではタトゥーをしている若者が多いのにも驚く。真面目そうな青年でもタトゥーをしている。日本におけるタトゥーは反社会的なイメージがつきまとうが、韓国ではそういった感じはない。カジュアルでポップなタトゥーだ。これもアメリカの影響が強いのだろう。ちなみに、韓国の銭湯に行くと、タトゥーをしている人をよく見かける。日本のように「タトゥーが入った客の入浴禁止」ではない。 街を歩く若者が飲んでいるのはアイスアメリカーノである。夏は特にガブガブ飲まれてた。僕もよく飲んだ。エスプレッソを水に溶かした薄いアメリカンコーヒー。名前がズバリ、「アメリカ」だ。 韓国はハンバーガー屋が多い。バーガーキングがそこら中にある。韓国オリジナルのハンバーガーチェーンもある。ハンバーガー好きの僕にとっては嬉しい環境だった。ハンバーガー、やっぱりここでもアメリカだ。 日本でもすでに有名になったように、韓国はフライドチキン大国だ。甘辛い味付けの「ヤンニョムチキン」だけでなく、いろんな味のチキンが楽しめる。最近はローストチキンが人気だ。そもそも、フライドチキンは骨付きの鶏肉をおいしく食べられるように考案された、黒人のソウルフードだ。ここでもやはり、アメリカの黒人文化からの影響がある。 韓国は、朝鮮戦争を経てアメリカと同盟を結び、軍事的にはアメリカの庇護のもとに置かれた。南北分断状態のなかでアメリカが果たす役割はとても大きい。 アメリカの影響力は軍事的な意味にとどまらない。経済、文化、社会……。さまざまなレベルで大きな影響を及ぼしている。英語からの外来語も多い。深いところから人々はアメリカナイズされている。それが今回の留学でよくわかった。 * 韓さんは韓国留学でなにを発見するのか。【つづき】「「大阪生まれの在日コリアン3世」が、韓国に留学した直後「とにかく不便だった」意外なこと」の記事では、さらにその経過を追っていきます。
韓 光勲(ライター)