命のバトンリレーでノラ猫さんを愛されるネコさんに 訪れる悲しみも受け止めて ねこから目線。の現場から
ねこから目線。には、「保護したが自分の家では飼えないので、信頼できる里親さんを見つけるお手伝いをしてほしい」という相談が多く寄せられます。今回は保護猫の里親譲渡仲介の様子を書いてみたいと思います。 【写真】保護直後のノリスケ君は痩せていて、ご飯にも恐る恐る近づいていました ノラ猫さんが捕獲され「保護猫」になり、里親さんの家で幸せに暮らせる「飼い猫」になるまで、たくさんの人の優しさに支えられた命のバトンリレーが行われます。頭の「のり模様」がチャーミングなノリスケ君のことを紹介します。 最初のステップ「保護」は、30代のご夫婦でした。ノラ猫問題に関心があり、何かできないか考えていたころ、自宅窓のそばで猫の大きな鳴き声に驚き窓を開けると、猫さんと目が合ったそうです。互いにびっくりしてフリーズ。その時の顔がかわいくて、保護したいと思ったそうです。 地域でノラ猫の世話をしている方とコンタクトを取ると、その猫さんは飼い猫ではなく、毎日ご飯を食べに来ているノラ猫であること、食いしん坊で人懐っこく、ノラ生活には向いていないタイプだと知り、保護を決意されました。 次のステップは「医療ケア」です。外で保護された猫にはほぼ100%ノミやダニなどの寄生虫がいます。他の猫に感染する病気を持っている子もいるので、検査や治療が必要です。寄生虫や感染症はすぐに発覚しないこともあるので、1カ月程度は里親募集の準備期間になります。保護主さん宅の一室が隔離部屋になりました。 次は「里親募集」です。ネットの里親サイトや譲渡会、保護猫カフェ、SNS、チラシなどいろんな方法がありますが、里親サイトと保護猫カフェを通じて募集することにしました。保護主さんが猫アレルギーだと判明したのと、愛嬌抜群のノリスケ君はカフェに向いていると判断したからです。協力してくださったのは大阪で一番古い保護猫カフェ「SAVE CAT CAFE」(大阪市北区)。2カ月ほど過ぎたころ、すてきなご夫婦から「ぜひ家族に迎えたい」とエントリーがありました! いよいよ最終ステップの「譲渡」です。ノリスケ君がいるカフェに里親希望者さん、保護主さん、譲渡仲介者である私の3者で集まり、飼育環境や留守番時間といった生活スタイルなどを伺って、ノリスケ君は夜鳴きが激しく声量抜群であることなど、ウイークポイントも正直に伝え、ノリスケ君の性格と里親希望者さんの生活スタイルがマッチするか相談します。結果、トライアルというお試し飼育期間に進むことになりました。実際に飼育する中で、本当に一緒に暮らせそうか判断してもらいます。