新しいトヨタ・ランドクルーザー70は、都市部で乗っても面白かった!!! 本格オフローダーの街乗りに迫る
復活したトヨタの新しい「ランドクルーザー70」は、悪路はもちろんのこと、街中で乗っても楽しい1台だった! 小川フミオがリポートする。 【写真を見る】新しいランドクルーザー70の細部(25枚)思いのほか快適性の高い室内にも注目!
人気は衰えない
トヨタが2023年11月に“再”デビューさせたランドクルーザー70。乗っていて刺激があり、運転する喜びが感じられる。本格的クロスカントリー型4WDだが、じつは万能選手。クルマ好きはハマると思う。 驚くのは、1984年のデビュー以来、ランクル70の人気が衰えていないことだ。機械式腕時計、スニーカー、ビニール盤などとどこか共通していて、市場のトレンドを超越した商品性に惹かれる人が多いのだろう。しかも、ほかのプロダクトと異なり、ランクル70はお買い得な価格設定でもある。 乗ってみると、けっしてイメージだけでない。名作スニーカーの復刻といっても、ソールもアッパーも素材が少しずつアップデートされているし、場合によってはデザインにも手が入っている。ランクル70にもそんなところが感じられた。 今回発売されたモデルは、2.8リッター直れる4気筒ディーゼルターボエンジンを搭載し、最大トルクは500Nmだ。それが1600rpmから2800rpmの間に発生する設定。オフロードで扱いやすいうえに、これだけ太いトルクなので街中でも乗りやすい。 今回はオフロード走行ではなく、街中での試乗記となる。私としては、2014年に4.0リッターV6ガソリンエンジンとマニュアル変速機を組み合わせた「発売30周年記念復活モデル」以来の、市街地ドライブだ。
車体の反応性がイイ!
乗り出したときこそ、大径のハンドルを“グルグル”と速く切らなければコーナーを思うように曲がっていけない。一瞬とまどったけれど、すぐに慣れた。思いのほか車体の反応性が高いからだ。 シャシーは、いまや貴重なセパレートフレーム式。スズキ「ジムニー」とランクル70ぐらいでしか採用していない、本格的クロカン4WDの定番だ。長所のひとつは、路面のショックを吸収してくれ乗り心地に貢献してくれるところ。トヨタ「クラウン」だって1990年代初頭までは、乗り心地が上質だからと、セパレートフレームだったのだ。 もうひとつ、乗り心地について感心したのは、シートだ。クッション性が実によい。シートの下に衝撃構造を採用しているようで、乗員はつねにフラットな姿勢でいられる。走行中のホールド性もよい。 大きなハンドルを持って、アクセルペダルを踏み込むと、かつてに較べればだいぶ静粛性の高まったディーゼルユニットの“ガラガラ”という音とともに発進。2000rpmを超えたあたりでターボチャージャーがしっかりまわり始めるのか、体感的にエンジントルクがしっかり出てきたのを感じる。そこからの加速性はとてもよい。