新しいトヨタ・ランドクルーザー70は、都市部で乗っても面白かった!!! 本格オフローダーの街乗りに迫る
価値ある480万円
東京の首都高を走っていても、流れをリードできるぐらいのスピードは出せるし、コーナリングも、慣れればそれなりのペースで走行可能。SUVではないので、乗用車的……とまではいかないものの、信頼をおける走行感覚で、私はたいへん好感をもてた。 後席は階段状というのか着座位置を前席より高くして、そこに座ったひとの前方視界を確保している。これはファミリーユースにも良いはずだ。このシートは分割可倒式で、そもそも広い荷室だけれど、左右とも倒せば、奥行きが1355mm、幅が1440mm、高さが1120mmと、まさに広大な荷室が生まれる。なにを積むの? というぐらい広い。 ドアは、“鉄板感”というのか……バスンッと重厚な感じで閉まる今のクラウン系とは対極。鉄と鉄が“ガチャンッ”と、ぶつかるような音で閉まる。マニュアル操作する前輪のデュアルモードオートマチックロッキングハブ機や副変速機、前後のデフロックスイッチ。……このクルマでしかみつからないものが数多い。 乗っていると、どんどん好きになる感じがある。こういうクルマはいまや数少ない。古いクルマを好む若い人たちはいま多いが、その人たちが古いクルマに抱く、この先変わらない価値へのリスペクト……といったものが、ランクル70と、それに乗る自分との間に生まれるはずだ。 480万円のモノグレード(単一モデル設定)は、いい買い物になりそうである。
文・小川フミオ 写真・安井宏充(Weekend.) 編集・稲垣邦康(GQ)