医学部入試は難化傾向だが問題自体は易化!? 苦手分野の克服がカギ
2025年の共通テストでは「情報」が追加
そして、2025年の共通テストで注目される点は、新課程に対応した内容になることだ。まず、新しい教科として「情報」が加わる。また、数学IIでは「数学II、数学B、数学C」の1科目のみの出題となり、出題範囲が広く、試験時間も70分になるため難易度が高くなりそうだが、一方で理科や英語は大きな変化はないと予想される。 さらに、共通テストは2024年度は1月13日と14日であったが、2025年度は1月18日と19日と遅くなって、私大の入試と近くなる。そうなると気持ちの切り替えが難しいので、初めて受験をする現役生は不利になる可能性がある。今からイメージトレーニングを積んでおくことが大事だ。 受験生は日々、学力を伸ばしていく。模試や共通テストの点数が期待通りではなくても、そこで落ち込んでモチベーションを落とさずに、勉強を続けることで受験直前まで成績は上がっていく。そのためにも第一志望は変えないことが大切だという。国公立は共通テストの結果が出るまでは変えさせない。私大は第一志望を必ず受験させる。それによってモチベーションを高いところで保つことが重要とのことだ。
学校での勉強を大切にすることが合格への第一歩
その厳しい医学部入試を乗り越えて、医学部に通っている現役生たちは受験をどう振り返っているのだろうか。第2部は「現役医大生インタビュー」で、4人の大学生たちが登壇をした。メディックTOMASでT.A.(ティーチングアシスタント)を務めている学生たちだ。 4人とも明確に医師になりたいという目標を持ち、医学部合格に向けての勉強は高校2年生から始め、英語と数学は2年の末までに仕上げ、3年からは理科に力を入れ、夏前までに理科を含めたの全教科の基礎を完璧にすることを目指した。 「高校3年になると時間がなくなるので、数学は2年までにじっくりと解けるまで取り組みました」(御三家出身・私大医学部学生) 今回、登壇した4人はいずれも御三家などの難関校出身。難関校の生徒というと、学校の勉強よりも塾での学習を優先しがちに思えるが、実際には学校の勉強が受験の役に立ったというコメントが目立った。 「高校2年から本腰を入れて受験勉強を始めましたが、1年までの学校での勉強の蓄積が基礎力となりました」(難関男子校出身・難関医学部学生) 「学校の英文法の授業での勉強がとても役に立ちました」(女子御三家出身・私大医学部学生) また、基礎を固めることの重要性を語るコメントも。 「数学では『4STEP』(数研出版)という問題集で勉強しました。基礎から発展までさまざまな難易度の問題が載っています。この問題集を2周3周と繰り返して解いていくと、『この問題はできるからやらなくていいや』と飛ばしてしまいがちです。しかし、そういった一見して解けそうな基礎的な問題こそ、一定の時間内で正解できるかを試す必要があります」(女子御三家出身・私大医学部学生) 「集団塾に通っていて、まだ基礎ができていないのに難問ばかりを解いていて、うまくいきませんでした。そのため、現役合格ができませんでした。そこで浪人して基礎からやり直したら、難問も解けるようになっていきました」(最難関女子校出身・私大医学部学生) 最後に4人はT.A.としての体験を話した。 「自分は積極的に質問に行けない性格で苦労をしました。個別指導ならそういったためらいがなく、何でも講師に質問できるのがいい」(女子御三家出身・私大医学部学生) 「一対一だと生徒の歩幅に合わせて指導できるのがいいと思います」(難関男子校出身・難関医学部学生)