地方暮らし→就農に注目が集まる理由「自分の裁量で仕事を」「子どもとの時間作り」「将来のため」
近年、都市部近郊の貸し農園で野菜作りを楽しむ人がいたり、若い世代で地方暮らしや就農に注目が集まったりしています。そのように農業への関心が高まっている今、社会人向けの農業に関するスクールから、農業への第一歩を踏み出す人も多いようです。スクール運営会社の担当者に話を聞きました。 【写真】社会人向けの農業スクールのようす 会社勤めではなく自分の裁量で仕事をやってみたいという思いなどが、農業へのチャレンジや将来的な田舎暮らしへの思いにつながっているのではというのは、農業の支援などを行う会社、株式会社マイファーム(京都市)の上田悠太さん。 同社が週末に開いている社会人向けの農業スクール「アグリイノベーション大学校(AIC)」の受講生は、将来の地方(田舎)暮らしのためにという人や、子どもとの時間を作るべく自由に時間を使いながら働ければということで農業に関心を寄せる人など、思いはそれぞれ。大半は農業経験がまったくないそうですが、オンライン講義と実地体験で知識と技術を深め、開講13年で約2000人が卒業し、その後は何らかの形で農業に関わっているといいます。 「卒業生の半数は、就農されたり、自ら起業して農業を始められたりしています。ただし、農業は、野菜を作って販売するだけではないので、農業に関連するビジネスをされる方も多いですね。例えば、新しい八百屋さんを始めたいとか、農家民泊をやってみたいとか、地域の活性化をやってみたいとか。農家さんのPRを行ったり、現在の仕事を続けながら農業に関連した仕事にシフトチェンジしたりとか様々です」(上田さん) 一方、昨今、自分で食べるために野菜作りをする人も増えているようで、同社も「自分でつくって、自分で食べる」=「自産自消」という造語を掲げて、貸し農園を営むなど、農業へのきっかけづくりも行っています。 「実際に野菜作りをしてみると、『どうして農家さんはおいしい野菜を作ることができるんだろう』、『どうやって果物や野菜が作られているんだろう』と考えると思うのですが、そうやって自然に興味を持つことで、より良い社会になっていくんじゃないか」と、農業への従事が、日ごろの生活にもつながるという上田さん。 「『自産自消』が広がって、野菜作りとか農業など自然に興味を持つ人が増えていくといいなと思っている」と述べる農業の担い手づくりのエキスパートは、「農業は無限の可能性を秘めているので、少しでも興味のある方は、農業を仕事にしたり、人生に農業を取り入れた生き方だったりを検討していただきたい」と、呼びかけていました。 ※ラジオ関西『Clip』より (2024年9月30日放送回)
ラジオ関西