「捜査員が公邸に違法侵入」韓国大統領側、捜査機関トップら告発へ 6日に令状期限
【ソウル=桜井紀雄】韓国の尹錫悦(ユン・ソンニョル)大統領の弁護団は5日、捜査機関「高位公職者犯罪捜査処(公捜処)」や警察による合同捜査本部の捜査チームが3日に大統領公邸に立ち入り、尹氏に対する内乱首謀容疑での違法な拘束令状執行を試みたとして、呉東運(オ・ドンウン)公捜処長や捜査チームの捜査員ら約150人を6日にも告発する方針を表明した。 尹氏側は、尹氏が宣布した「非常戒厳」を捜査する公捜処には内乱容疑での捜査権はないとし、令状も無効だと主張。法的措置で徹底抗戦する姿勢を鮮明にしている。 令状の有効期限は6日まで。尹氏を警護する大統領警護処は3日同様に捜査員らが公邸に立ち入ろうとすれば、全力で阻止する構えだ。捜査本部は再度の令状執行に踏み切るかも含め、今後の捜査方針を検討している。 尹氏側は捜査本部側に対する告発に当たり、軍事上の保護区域である公邸に違法に侵入した容疑に加え、令状執行を阻もうとした警護処職員を負傷させた容疑も適用する。警護処の応援要請に応じなかった軍幹部も職務放棄の疑いで告発する。 一方、国会で弾劾訴追された尹氏の罷免の可否を審理する憲法裁判所での今後の弁論に関し、尹氏側は5日、尹氏が出席して直接意見を述べる方針を明らかにした。尹氏が出席すれば、弾劾審判の法廷に立つ初の大統領となる。過去に弾劾訴追された盧武鉉(ノ・ムヒョン)、朴槿恵(パク・クネ)両元大統領は出席しなかった。