【Cycle*2024 ツール・ド・フランス2024 レースレポート:第11ステージ】ヨナス・ヴィンゲゴーが涙の復活ステージ優勝 先行したポガチャルを追い、マッチスプリントを制す「勝った瞬間に苦しかった時期を思い出した。とても感動的な勝利だよ!」
下りでも攻めるポガチャルだったが、コーナーでタイヤを滑らせてしまった。落車は免れたものの、これがのちの走りに影響したという。
「下りでも攻められる感覚があったのだけれど、タイヤを滑らせたあの一瞬で走りが変わってしまった。セーフティにいかざるを得なくなって、その分を取り戻そうと下り終えたところで脚を使うほかなくなった」(ポガチャル)
走りのリズムが変わったポガチャルに対し、ヴィンゲゴーは下りでログリッチとレムコの合流を許しながらも、次の上りである2級ペルテュスでペースを上げた。追いついてきた2人を振り切って単独追走態勢に入ると、上り始めにあったポガチャルとの25秒差があっという間に縮まっていく。そして、頂上手前で追いついた。直後にポガチャルが再アタックをして頂上に置かれたボーナスポイントを1位通過(8秒ボーナス)はしたものの、その先の区間で攻撃に転ずることはできなかった。
「ヨナスの追い上げはものすごかった。ボーナスポイントは1位通過できたけど、それ以上の攻撃はできなかった。今日のようなレースは予想していなくて、最後のスプリントも慌ててしまったんだ」(ポガチャル)
両者が一緒になってから、ひとまずは協調体制を組んで最後の3級山岳をクリア。そのまま最終局面へと移っていく。テクニカルな下りをこなして、フィニッシュへ向かう緩やかな上りに入ると、ステージ優勝をかけた牽制が始まった。ポジションは、前がヴィンゲゴー、後ろがポガチャルだ。
しばらく探り合いが続き、残り200mでスプリント開始。ダンシングのヴィンゲゴーと、シッティングのポガチャル。フィニッシュ前50mでもうひと段階加速を狙ったポガチャルだけど、ヴィンゲゴーが懸命にトップを死守。ハンドル投げでのフィニッシュライン通過は、ヴィンゲゴーに軍配が上がった。
「ポガチャルがアタックしてからは、追いつくために諦めることなく走った。実際に追いつくことができたのには驚いたけど、スプリントで勝ったことの方がビックリだったよ」(ヴィンゲゴー)
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