【Cycle*2024 ツール・ド・フランス2024 レースレポート:第11ステージ】ヨナス・ヴィンゲゴーが涙の復活ステージ優勝 先行したポガチャルを追い、マッチスプリントを制す「勝った瞬間に苦しかった時期を思い出した。とても感動的な勝利だよ!」
開幕以来、少しずつ広がっていたポガチャルとの総合タイム差にも、第2週以降を見据えていると強調し続けてきた。このステージ優勝はいわば“有言実行”とも言えるが、やはり苦しかったのだろう。レース直後には涙があふれ、家族と電話をつなぐといよいよその涙は止まらなくなった。
「家族がいなければこの苦しみは乗り越えられなかっただろうね。みんなが僕を支えてくれたんだ。特に妻は僕の復帰に大きな役割を果たしてくれた」(ヴィンゲゴー)
そして、ここからの巻き返しを改めて誓う。
「ここまで、自分の力を疑っていた部分は否めなかった。でも、今日の走りで改めて僕にはツールを勝つ力があると信じられるようになった。昨年も一昨年も、僕は2週目と3週目で調子を上げた。今年も同じだと自信を持って言えるよ」(ヴィンゲゴー)
ヴィンゲゴーの追い上げに驚き、スプリントではミスしてしまったと悔やんだポガチャルだが、失った総合タイムは1秒。数字のうえではダメージはほとんどないけど、メンタル的には果たして。
「ヨナスがあれだけ強いスプリントをするとは思っていなかったよ。ただ、僕は心理戦で負けたわけじゃないんだ。見ての通り、僕たちは互角さ。まず大事なのは、ピレネーを前にいまあるタイム差を維持すること。もっと激しい争いになるだろうから、タイムを失わないように注意を払いたい。ヨナスだけじゃない、レムコもプリモシュも相当強いよ」(ポガチャル)
2人の後ろでは、レムコが崩れることなく走り抜いて3位フィニッシュ。一緒に最後の下りを攻めていたログリッチは落車で後れを取ったが、レース後の裁定によりレムコと同タイム扱いとなった。ヴィンゲゴーから25秒差でのフィニッシュ。
整理をすると、マイヨ・ジョーヌのポガチャルから、個人総合2位をキープしたレムコまでが1分6秒差。ヴィンゲゴーは1分14秒差。ログリッチが2分15秒差。この4人と後続との差は拡大していて、“ビッグ4”の強さが明確になってきている。
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