大谷のエンゼルス新監督は野茂氏が「頭がいい」と評した人
大谷翔平(24)の在籍するエンゼルスが21日(日本時間22日)、新監督にブラッド・オースマス氏(49)を迎えると発表した。エンゼルスは2000年からチームを指揮してきたマイク・ソーシア監督が今季限りで退任。レギュラーシーズン終了後から、異例の筆記試験などを課し、後任候補者を絞り込み、チームのGM特別補佐だったオースマス氏を新監督に選んだ。 オースマス氏は49歳で名門ダートマス大学出身。 メジャーではパドレス、タイガース、アストロズ、ドジャースを渡り歩き、強肩、好守のキャッチャーとして18年間プレーした。タイガース時代に野茂英雄氏とバッテリーを組んだこともあり、その当時、野茂氏は、オースマス氏のことを「頭の良い人ですし、それだけでなく身体の動きもいいキャッチャーですよ」と評していた。 昨年、ワールドシリーズで優勝したアストロズのAJ・ヒンチ監督もスタンフォード大学出身の捕手で、オースマス氏とは「現役時代は捕手、超名門大学出身」という共通点がある。 オースマス氏は2014年から2017年までタイガースの監督を務めた。メジャーでの監督、コーチとしての指導経験が全くないまま、タイガースの監督に就任。WBC(ワールド・ベースボール・クラシック)のイスラエル代表の監督をしたのが唯一の監督経験。それでも、タイガースは名将ジム・リーランドの後任にオースマス氏を選び、優勝争いの常連となっていたチームを託した。 就任当時、打線にはミゲル・カブレラ、ビクター・マルティネス、今季はレッドソックスで大活躍しているJD・マルティネスらがいた。投手陣はジャスティン・バーランダー、マックス・シャーザー、デービッド・プライス、リック・ポーセロ、アニバル・サンチェスと超豪華なメンバーが揃っていた。 2014年は、新人監督ながら地区優勝を果たし、ポストシーズンへ進出。しかし、オリオールズとの地区シリーズでは、シャーザー、バーランダー、プライスをつぎ込みながら、3連敗。当然ながら敗因は複数あるが、オースマス氏の継投策が失敗したことも、そのひとつとされていた。 また44歳という若さで就任したせいか、ベテラン選手に信頼を置きすぎるというか、遠慮しているようなところがあった。ビクター・マルティネスが不振に陥った時でも、長い間、打順を下げることをしなかった。クローザーのフランシスコ・ロドリゲスについても同様で、彼が抑えられない状態になっていても、重要な場面で起用し続けた。 結局、オースマス氏はタイガースの監督時代には大成功を収めることはできなかった。4年間の通算成績は314勝、332敗。