「射精するまで陰部を洗い続ける青年がいて…」障害者向け風俗の代表が、ヘルパー時代に目の当たりにした“障害者と性”の問題
デリヘルNO.1嬢が所属してくれて開店
ショウ氏は40歳の時に、デリヘルとして求人をかけることにした。まずは、射精介助をしてくれる人に留めての募集だった。 「“型にはまらない手作り”と“手のメイド”の両方をかけて、『はんどめいど俱楽部』と名付けました。募集をすると、一般のデリヘルでNO.1を張るような30代前半の美人女性が、キャスト第一号になってくれました」 その女性は、昼間は介護職、夜はデリヘル店で数百万円を超す金額を稼ぐ、売れっ子女性だった。昼間は介護職をしていたことで、障害者の性の問題に関心を持ち、同店もかけ持ちしてくれたという。 「風俗店の開業にあたり、一番、お金がかかるのは事務所の費用です。自己所有している物件ならばいいですが、風俗営業の承諾書付きの物件を賃貸すると、風俗専門ビルなどで借りることになります。承諾書付きの物件の賃貸は、敷金・礼金だけで12ヶ月分は当たり前。それなので、初期費用だけで500~1000万円かかります」 ショウ氏は、同じ500万円かかるならばと、住むつもりで中古のワンルームマンションを購入した。興味を持つ人がいても、後続する業者がなかなか現れないのは、開業費の高さにあるという。 「今でもやりたいという方から相談を受けますが、マーケットがそもそも小さいことと、コネを作って安い物件を借りるなどの工夫をしないと、初期投資を回収するのに何年もかかるというリスクを伝えます」
「筆おろし」後、障害年金の全てをつぎ込もうとする障害者も
サービスを利用する知的障害者・自閉症者・重度身体障害者のほとんどは、「筆おろし」の率が高い。 「20代前半の男性でしたが、筆おろしした翌日に、すぐに予約が入りました。だけど、14万円持っているけど、何時間利用できるかと聞くんです。初回にアセスメントを取っているので、住環境や家族の事は把握していますのでお母さんに、そのお金に心当たりがあるか?と聞きました」 青年の母親は、「障害年金2か月分」だと答えた。ショウ氏が「そのお金を使ったら生活が破綻するか」と聞くと、母親は「します」と言った。 「その予約は、良心的に、2時間(24,000円)までとお断りしました。障害者を相手にするということは、業者が良心を持っていないと、お客様の人生を左右しかねないという認識は大切です」 施設に入所している重度障害者からの申し込みもある。 「ヘルパーさんから連絡がくる時点で、施設側がNGだということが分かります。そんな時は、親戚や友だちの設定で、偽名を使って施設に入り、サービスを行うこともあります」 ベッドしかないような個室で、シャワーは使えない。キャスト・客の双方に負担がかかるが、それでも需要があるという。