「こんな人間はなかなかいない」今年限りで現役引退のヘスス・ナバスに惜しみない賛辞。デビュー当時はホームシックに悩まされ、代表招集を辞退したことも
プレーだけではない。人間性も含めて周りの人間はナバスに魅了されており、それはもちろんファンも同様だ。いま、セビージャは混迷の真っ只中にある。経営危機とチームの低迷を招いたフロントへの風当たりは増す一方で、ヘタフェ戦もキックオフ前から殺気立った雰囲気がスタジアムに漂っていたが、ナバスが交代でピッチを去る際には、万雷の拍手で包まれた。 EURO2024期間中、最年少選手ラミネ・ヤマル(バルセロナ)のお目付け役を買って出ていたナバスは自身も早熟型だった。セビージャでトップチームデビューを果たしたのは18歳の時。最初の数年間は、壊れやすいナイーブな少年がそのままサッカー選手になった印象で、重度のホームシックに悩まされ、代表への招集を辞退したこともあった。当時はこんなに長いキャリアを築き上げるとは想像できなかった。 それが2010年にW杯優勝戦士となり、EURO2012でも優勝を経験し、2013年にはマンチェスター・シティに移籍と、名実ともに一流選手の仲間入りを果たし、2017年にセビージャに復帰してからは重鎮のひとりとしてチームを引っ張ってきた。 躍動感あふれるプレーは今なお健在で、腰痛がなければ…というのは誰もが感じるところだが、チームメイトのサウール・ニゲスがスペイン紙『エル・パイス』のインタビューで語ったところによると、12月引退の決心は固いようだ。残り数か月、慢性的な故障を抱えながら、愛するセビージャのためにピッチを駆け回るナバスの姿を目に焼き付けておきたい。 文●下村正幸
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