「仕事を辞めるように仕向けられている?」と感じたときに取れる対策とは
理由を探る
まずは、以前と何が違うのかを見きわめましょう。上司が突然、あなたを積極的に手放したいと思うようになったのはなぜでしょうか。 理由を突き止めるいちばん効率的な方法は、正式な人事考査か、非公式のミーティングというかたちで、上司と面談することです。 「辞めてほしい」と上司が率直に言ってくることはおそらくないでしょう。 しかし、少なくとも自分が不意に「求められない人材」になった理由を解明することはできるかもしれません。 面談する必要がある理由は、「原因次第では、辞めさせられそうな事態を何とかできる可能性があるから」です。 上司が予算削減を理由に、自分から解雇はせずに人員を減らそうとしているなら、追加業務を申し出たり、ほかのプロジェクトや部門への異動を模索したりできます。 場合によっては、上司が手を貸してくれるかもしれません。 そうすれば、上司自身の問題が解決するからです。 あるいは、人事考査には含まれない業務上の理由で上司の反感を買った場合でも、対応できることはあります。 能力不足だと思われているなら、スキル向上に向けた計画を提案することで、風向きを変えられるかもしれません。 「静かな解雇」の背景に何らかの誤解があり、それが個人的な反感を招いているなら、誤解を解くことで状況を打開できる可能性があります。 こうした面談をした結果、明確な答えは見つからず、唯一わかったのは、上司が「自分の顔をできるだけ見たくない」と考えていることだという場合でも、少なくとも、確信を持てたことには意義があります。
証拠を集める
「静かな解雇」の背景に個別の理由があるにせよ、ないにせよ、職場で起きていることは1つ残らず、すぐさま記録しはじめるべきです。 メモを取り、面談内容についてはすべて文書化して確認をとり、上司からの通達は書いた形で得るようにしましょう。 たとえば、理不尽なノルマを口頭で告げられた場合には、そのノルマを改めて書き記したうえで異議を申し立て、確認してほしいという旨のメールをすぐに上司に送ってください。 こうした類いの文書は、「静かな解雇」が大っぴらになった場合に重要となります。 また、年齢や障害などを理由に違法に辞めさせられそうと疑う場合は、この証拠が状況を左右します。 自発的に辞めるよう仕向けられているのではないかという懸念を、人事部や、上司の上司に伝えても、事態が改善する見込みはあまりありません。 互いの言い分をぶつけ合うことになるのがオチだからです。自分の言い分を主張するつもりなら、重要な証拠をできる限り集める必要があります。 また、上司の非友好的な態度の裏にある理由を、自分は覆すことができると判断した場合は、集めた文書をもとにして、自分が給与や福利厚生に見合った業務目標を達成していることや、立派な投資対効果を提供していることを主張できる可能性があります。 敵対的な職場環境のせいで仕事を辞めざるを得なくなることは「退職強要」と呼ばれ、法的手段をとれる可能性があります。 とはいえ、退職を強要されたと証明するのはかなり難しいことが多く、法的手段に訴えようと思っている場合は、多くの詳細な記録が必要になるでしょう。