鹿児島県・徳之島町文化会館30周年記念島民劇 シリアス・コメディーに70人出演 島民劇「ゆうなの樹の下で」
【鹿児島県・徳之島】徳之島町文化会館(実島一仁館長)30周年記念の島民劇「ゆうなの樹の下で」の公演が1日の昼夜2回、同館ホールであった。両親の出身島にやってきた20代の「優奈」、恋と生活の狭間で揺れる30代の「友菜」、母になり喫茶店を営む40代の「夕凪」。総勢約70人が出演。「3人のゆうな」の出会いと別れの人生模様を〝徳之島愛〟に満ちたシリアスとコメディーを織り交ぜて熱演し、観客約800人を楽しませた。 同町文化会館主催の「島民劇」企画は、2009年度の同館設立15周年記念事業として奄美群島の日本復帰運動を描いた「北緯29度線」でスタート。島民たちをオールキャストに、その秘めた情熱と想像力をマッチさせた手作りの島民劇を発表して今回は第6弾。「ゆうなの樹の下で」原作の永山智行氏(都城こふく)が一昨年から島の日常を取材。今年5月から島民キャストを募集。異業種の幅広い世代のアマチュア役者たちが集い、大迫旭洋氏(熊本劇団不思議少年)の演出で稽古を積んできた。
ストーリーは、千葉県での教職定年を機に古里にUターンした両親を追って密かに来島した「優奈」。名古屋との遠距離恋愛と古里の幼なじみとの狭間で揺れる「友菜」。リゾートバイトで来島して理想のパートナーと出会う「夕凪」。コメディータッチの進行役(MC)で沸かせつつシリアスとコメディーを絶妙なバランで組み合わせた熱演で楽しませた。 劇中ゲストには「亀津浜踊り保存会」や「徳之島ストリングス」(バイオリン)、日本管楽合奏コンテスト全国大会最優秀賞の亀津中吹奏楽部の木管アンサンブル、「外国人による日本語弁論大会」で最高賞・外務大臣賞に輝いた同町役場在籍のCIR(国際交流員)リナルディ・クリストファーさん(27)=ニューヨーク出身=の演歌「皆の衆」独唱、高岡秀規町長のサックスソロ演奏、亀徳保育園児たちの合唱などでも楽しませた。 観客の60代女性(伊仙町)は「みんな徳之島が大好きで、何年も島民劇を継続できる島民愛がすごい。世界自然遺産(エコツアー)も絡めたストーリーも最高だった」と満足していた。