台湾会食「過剰接待」否定 市長、沖縄タイムスに抗議へ
台湾基隆港―石垣港定期航路開設を巡り、石垣市の台湾視察団が会食で「過剰接待」を受けたと批判されている問題で、中山義隆市長は2日、この問題を報じた沖縄タイムスに抗議し、記事の取り消しと謝罪を要求する考えを示した。市当局も「過剰接待」との見方を否定した。市議会12月定例会で与党の友寄永三氏の緊急質問に答えた。 同紙は、市の視察団が現地の流通大手ワゴングループ関係者と会食した際、食事代としてワゴン社側が市の会費を大きく上回る額を負担したと見られると報じた。 視察団に加わっていた友寄氏は「報道では過剰接待と言われるが、私の認識とは全く違う」と市当局の認識をただした。 中山市長はワゴン社側が支払った金額について、飲食店側が一切取材に回答しておらず、個人情報を第三者に伝えることもないと強調。「記事は言葉を選ばずに言うと偽証、捏造という感じを受けている。市の名誉を傷つけ相手にも不愉快な思いをさせた」と非難した。 同紙に抗議する意向を示し「謝罪、記事の訂正をしてもらわないといけない」と述べた。 中山市長は県紙報道について、Xにも「書きぶりが酷い」と投稿した。野党の内原英聡氏に真意を問われ「しっかり時間を取って記者に対応したが、書きぶりに悪意を感じた。この件に関しては取材を受けない」と報道批判を繰り返した。 嶋田廉企画部長は、ワゴン社が利害関係者ではなく、会食が利益供与に該当しないことを「弁護士に確認済み」と報告。 会食についても予算の範囲内で対応するようあらかじめ台湾側に伝え、金額を確認して市側の負担分の領収書も受領しているとした上で「飲食店としては予算や人数に応じ料理等を出している。今回の件はあくまでも交流を通じた友好関係を企図したもの。利害関係は全く生じていない」と説明した。 ワゴン社は将来、運航会社から基隆―石垣間の定期船の運航管理を委託される見込みになっている。嶋田部長は「逆の立場でワゴングループから石垣市側への依頼事項はない。市側の要求で採算が合わなければ運航管理の委託を拒否すればそれで終わりで、就航は不可能になる」と述べ「そもそもワゴングループが接待する必要はない」と断じた。 「過剰接待」に関する一連の報道に関し「今回の取材は関係者の友好関係に亀裂を生じさせたものであり、看過できない」と厳しい姿勢を示した。 内原氏は「一切不正がないなら読者の知る権利に応えて説明を尽くすべき。取材や会見にはしっかり臨むべきだ」と中山市長の報道批判を疑問視した。