英国紙が批判「カマダは存在感が薄い」“天才”鎌田大地がクリスタルパレスで苦しんでいる「自分が想像していたサッカーではない」現地記者に本音を語った
“香川真司の苦しみ”を思い出した
鎌田の話を聞きながら、「似たようなことがあったな」と、筆者はふと思い出した。それは、マンチェスター・ユナイテッドでプレーした香川真司である。 在籍1年目は、名将アレックス・ファーガソンが指揮を執った。プレミアリーグで13度の優勝経験を持つこの指揮官は「柔」のエッセンスを持つ香川に高い期待を寄せていたが、わずか1年で監督業を引退──。後任としてやって来たのが、守備的なサッカーを志向するデビッド・モイーズだった。フィジカルと守備重視のサッカーとなり、香川は持ち味を発揮できなかった。 ただ香川のケースと違うところは、クリスタルパレスの監督がフランクフルト時代の恩師グラスナーであること。グラスナーとしてはチーム改革の途中にあり、そこに成績不振も重なって、鎌田のチームへの組み込み方について最適解を見出だせていないように映る。たしかに鎌田は苦戦しているが、監督がグラスナーであるかぎり、まだまだチャンスはあるだろう。
「ほんとにやりやすい」三笘の“鎌田評”
実際、周囲の「鎌田評」は非常に高い。例えば、日本代表でチームメートの三笘薫は次のように語っている。 「(鎌田は)頭の良い選手ですし、走れる選手でもある。ポジショニングについても、攻守両方で本当に考えて(立ち位置を)取っているのがわかります。僕は代表で一緒にやっていて、ほんとにやりやすい。人と人を繋ぐ役割というのはすごいと思っています」 こうした考えは、当のグラスナー監督も一緒である。「最初の頃、チームが結果を出せなかったので、鎌田のスタートは少し不運だった」と語る50歳の指揮官はこう評する。「ダイチにはスペースを見つけたり、ボールを適切な場所に動かす能力がある。サッカーIQが非常に高い」と。 鎌田にとって、今は我慢の時だろう。今季のクリスタルパレスの目標は、あくまでもプレミア残留だ。冬の移籍市場で大型補強に動く可能性は低く、今季は現在の戦い方を貫くと見られる。鎌田にとって試練の時はしばらく続きそうだが、例えば来夏の移籍市場で、グラスナー監督が望む選手を補強できれば──。鎌田を取り巻く環境も大きく変わるだろう。 フランクフルトが欧州リーグの頂点に立った際、元イングランド代表MFのジョー・コールは「カマダはまるで宝石のようだ」と興奮気味に話していた。 世界最高峰の舞台プレミアリーグで、ダイヤが光り輝く瞬間を、静かに、そして冷静に待つことにしたい。
(「欧州サッカーPRESS」田嶋コウスケ = 文)
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