20万人が真夜中にチャリで疾走!中国の「謎ブーム」始まりは女子大生4人の冒険だった
● 急な締め付けの理由~政府は何を恐れていたのか? 筆者はその様子に、ちょうど昨年この頃に亡くなり、「謀殺された」との噂がとびかった李克強・元首相(参考記事)に絡む「なにか」が起きるのでは、と当局が不安に感じたのかもしれないと考えていた。さらには、2022年11月に当時の厳しいコロナ対策への抵抗活動である「白紙運動」でも、政府批判の声が起きたことへの過剰反応でもあったのだろう。 そういう意味で、張さんが今回の自転車の大群を「反逆」と呼ぶのも理解できる。さらに先に述べた通り、自由を謳歌するような幟まで出現したのだから。 張さんはコラムでこう述べていた。 「彼らは卒業後の就職困難に直面し、大学院進学も難しく、公務員も大変難しいことを知っている。学校での生活で、顔認証やあれやこれやの成績評価にさらされている。奨励制度は非常に複雑で、完璧なものだが、その効果は薄れ始めつつある」 将来が見いだせない青春を生きる彼らは、みんなと同じ道を走ることで、安全に、それを謳歌しようとしただけなのだ――と張さんは説く。 もちろん、そのクリエイティビティはハロウィーンのそれには及ばないものの、そのハロウィーンですら取り締まりに遭ってしまった。ならば、息抜きを求める若者たちはどこに向かえばいいのか。 張さんはいう。「若者たちが求めているのは“出口”だ。未来に続く“道”なのだ」と。
ふるまいよしこ