“オバマのファン”だったイーロン・マスクがトランプ派に転じて家族をぎょっとさせた一言とは「2024年のトランプ再選なんてまず無理だろ?」
トランプ新政権のもと“政府効率化省”のトップとなるイーロン・マスク。のみならず、国内外の政治の表舞台にトランプとともに連日登場。あつい信任を得た“最側近”さながらである。しかし、マスクはかつてトランプを「ペテン師」と呼んで嫌っていた──ベストセラー公式伝記 『イーロン・マスク』 (ウォルター・アイザックソン著 井口耕二訳)から、マスクの驚くべき “変遷”を紹介する。 【写真】マスクとの間に3人の子を儲けたカナダ出身シンガーのグライムスは現在35歳。2人は破局と復縁を繰り返している ◆◆◆ “リストラ王“としても有名なイーロン・マスク。トランプ新政権では、“政府効率化省“のトップに抜擢され、6兆7000億ドルの政府支出のうち「2兆ドル(約310兆円)は削減できる」と豪語している。 2022年に買収したツイッター社では、乗り込んで3週間のうちに社員の50パーセントを削減する“粛清”を行なった。“政府のリストラ”を期待するトランプに対し、マスクは早速こう応えている。 「最大限の透明化を確保するために、すべての活動をオンラインで公開する」 「税金の最もばかげた使い方ランキングも用意する」 巨額献金やXでの応援発信によって再選を支え、トランプからのあつい信頼を得たマスク。それゆえマスクが率いる電気自動車(EV)メーカーのテスラや宇宙開発ベンチャーのスペースXなどへの規制緩和が見返りとしてあるのでは、とも囁かれてきた。 まさに蜜月状態にあるふたり。だが意外かも知れないが、マスクはかつてトランプのことを「ペテン師」と呼んでいた。
トランプについて「米国に資する性格ではないように思う」
そこから、いつどのタイミングで、マスクとトランプは歩み寄っていったのか。以下、時系列で順を追ってみよう。 前回トランプが当選した2016年の選挙では、今回とは真逆にトランプ批判を痛烈に行っていたマスク。 「米国に資する性格ではないように思う」 とまで、テレビのインタビューに答えている。 だがいざトランプが当選すると、楽観的な見方に転じる。 「選挙戦のおかしな言動はあくまでパフォーマンスであり、実際にはもっと堅実な政権になるのかもしれない」