円満に辞めたかったのですが引き止められて困っています。「退職代行」を利用したらまずいですか?
近年、退職の流れを業者に任せることができる「退職代行サービス」の認知度が上昇しており、円満に退職できない理由がある場合などに利用を検討する人が増えているようです。 本記事では、退職代行サービスのメリットとデメリット、スムーズに退職するために必要なことや、引き止められることで受ける影響や退職代行が与える職歴への影響についても解説します。
退職代行サービスとは?
退職代行サービスとは、働く本人に代わって退職を代行してくれる業者や、弁護士を通じて退職を会社に申し出るサービスです。業者などにお金を支払ってでも退職したい意思を代わりに伝えてもらうことで、会社からの引き止めなどによるストレスや疲れを感じることなく退職することが可能です。 エン・ジャパン株式会社(東京都新宿区)が実施した「退職代行」実態調査(調査期間:2023年8月29日~9月26日、有効回答数:7749名)によると、退職代行サービスを知っていると答えた人は72%にのぼり、認知度は非常に高いことが分かりました。特に、20~30代の認知度は高いようです。 しかし、実際にサービスを利用したことのある人は全年代で2%と、ほとんどの人が利用した経験がないと答えています。ちなみに、サービスを利用しない理由では「退職の意思は自分で伝えるもの」と考えている人が多いことも分かりました。
退職代行サービスのメリットとデメリット
退職を言いだしにくかったり、トラブルを避けたりするために役に立つ退職代行サービスですが、メリットとデメリットはどのようなことがあるのでしょうか。退職代行サービスには、以下のようなメリットがあります。 ・退職届をスムーズに受理してもらえる ・自分で退職を言いださなくてよいので、退職に対する心理的なハードルが下がる ・会社に出向かなくてよいため、上司に会わなくて済む 特に、会社に退職の意思を伝えても受理してもらえずに悩んでいる場合や、上司や先輩からのパワハラを受けている場合など、職場環境に悩んでいる人は大きなメリットを感じられるようです。 退職代行を利用することで、手続きなどで本人が会社に出向く必要がなく、ストレスを感じる機会を減らせることが大きなメリットといえるでしょう。 一方で、退職代行サービスには以下のデメリットがあります。 ・退職のためにお金がかかる ・上司や先輩との関係が悪くなる ・希望どおりの条件で退職できないケースがある ・悪質業者が存在する 普通は、会社に退職の意思を伝えるだけであれば、お金はかかりません。しかし、退職代行サービスの利用や、弁護士へ相談することになると、手続きのためにお金を支払わなければなりません。 また、退職代行サービスの利用で本人が会社に出向くことがないことで上司や先輩と良好な関係を継続するのは難しくなります。さらに、有休を消化できないなど希望どおりの退職ができない場合があることも頭に入れておきましょう。 なお、退職代行サービス業は悪質な業者も存在します。退職がうまくできなかったときの返金をしてもらえないなどトラブルになる可能性があるので、業者を決めるときには注意が必要です。退職代行サービス業の利用するときは、弁護士資格を持っているか確認して、よく調べてから依頼しましょう。