アンジュルム・平山遊季さんが「ベーチェット病」を公表 原因・4つの特徴的な症状を医師が解説
ベーチェット病の予後や生活上の注意点
編集部: ベーチェット病の予後は? 郷先生: ベーチェット病は様々な症状が長期に渡って繰り返し起こる病気ですが、一般的に予後は悪くありません。ただ、眼症状や特殊型ベーチェット病がある場合は度重なる炎症でダメージが蓄積され、後遺症が残ることもあります。 ベーチェット病の主症状である眼症状のうち、後眼部に病変が起きてしまうと視力低下の症状が現れるので、炎症を繰り返していくうちに失明する可能性があります。しかし、現在は治療薬も新しいものが開発されており、失明の可能性はかなり低くなりました。 編集部: 生活するうえで注意することはありますか? 郷先生: ベーチェット病はストレスを受け、身体が冷えることで症状を引き起こすといわれています。ストレス軽減や身体の休養、バランスの取れた食事、睡眠をしっかりとるなど、規則正しい生活を送るよう心掛けてください。 また、日頃から歯磨きなどで口腔内の環境を清潔に保ちましょう。歯周病や虫歯の菌による口腔潰瘍の再発や、悪化の防止につながります。喫煙は病気を悪化させる原因になりますので、禁煙するのが望ましいでしょう。 編集部: 最後に、読者へメッセージをお願いします。 郷先生: ベーチェット病は「症状が出たり」「治まったり」を繰り返す病気のため、病気とは長い付き合いになります。病気を抱えながら日常生活を送ることは簡単ではないため、心身ともに疲弊してしまう時もあるでしょう。 不安なことや分からないことは、一人で抱え込まず、担当の医師や看護師などに相談してください。また、ベーチェット病の治療は長期間に渡り継続していくものですので、症状が出ていない時期でも定期的に通院し、経過を見るようにしてください。
編集部まとめ
ベーチェット病は身体の免疫機能が何かしらの原因で過剰に反応してしまい、身体の広範囲に渡って炎症が起きることで、様々な症状を引き起こす難病です。なじみのない疾患で、潰瘍など他の疾患でもみられる症状なため自分では気が付かないことも多いでしょう。 病院へ検査に行ってもすぐに診断されないこともあります。しかし、放っておくと悪化し失明などの大きな症状を引き起こすこともあるので注意が必要です。現在は治療薬なども開発され予後が良くなってきているため、病院を受診し早期に発見することが大切です。 指定難病ということもあり完治することは現状難しいのですが、症状に対し薬物療法など行い対処します。病気とうまく付き合っていくためにも思い当たる症状がありましたら、病院を受診し治療を行うようにしましょう。 [この記事は、Medical DOC医療アドバイザーにより医療情報の信憑性について確認後に公開しております] ※この記事はMedical DOCにて【「ベーチェット病」を発症すると現れる症状はご存知ですか?医師が監修!】と題して公開した記事を再編集して配信しており、内容はその取材時のものです。
【この記事の監修医師】 郷 正憲 先生(徳島赤十字病院) 徳島赤十字病院勤務。著書は「看護師と研修医のための全身管理の本」。日本麻酔科学会専門医、日本救急医学会ICLSコースディレクター、JB-POT。
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