アンジュルム・平山遊季さんが「ベーチェット病」を公表 原因・4つの特徴的な症状を医師が解説
ベーチェット病の診断や治療方法
編集部: 検査方法を教えてください。 郷先生: 主な検査として、問診や触診・血液検査・髄液検査・遺伝子検査・皮膚の過敏反応を診る検査(針反応)・画像検査(MRI)などがおこなわれます。 ベーチェット病の主症状である口腔潰瘍や外陰部潰瘍・皮膚症状や眼症状があるかどうか、血液検査では炎症を示す数値が高いかなど、詳しく調べる検査です。 遺伝子検査ではベーチェット病でよく見られるHLAを調べ、髄液検査では採取した髄液から細胞の数や炎症を起こす物質の量などを調べます。 また、腹部CTやMRIの画像検査は、血管に動脈瘤や血栓ができていないか確認するためにおこなう検査です。 編集部: 診断はどのように行われますか? 郷先生: ベーチェット病の症状は、他の病気でも現れる症状であるため、1度の診察で診断をすることは難しいです。「どんな症状が現れているのか」「症状が出たり、治まったりを繰り返しているのか」「他の病気の可能性はないか」などを注意深く観察していきます。 編集部: 経過観察や検査をしながら、最終的に診断されるので、ベーチェット病と診断されるまでに時間がかかる場合もあるでしょう。 厚生労働省では、4つの主症状と5つの副症状(関節炎・血管病変・精巣上体炎(副睾丸炎)・消化器病変・中枢神経病変)の組み合わせが診断基準になっており、ベーチェット病はそこからさらに3種類に分類されます。 「完全型ベーチェット病」 ベーチェット病の主症状である「口腔粘膜のアフタ性潰瘍」「外陰部潰瘍」「皮膚症状」「眼症状」の4つが現れているものです。 「不全型ベーチェット病」 以下の4つの組み合わせから診断されます。 1)主症状が3つ現れている。 2)主症状が2つ+副症状が2つ現れている。 3)眼症状+他の主症状1つが現れている。 4)眼症状+他の主症状2つが現れている。 「特殊型ベーチェット病」 4つの主症状は見られないものの、副症状の関節炎・血管病変・精巣上体炎(副睾丸炎)・消化器病変・中枢神経病変が現れている状態です。 編集部: 治療方法を教えてください。 郷先生: ベーチェット病について研究も進み、様々な治療薬が開発されていますが、現段階では完治させる治療法はまだありません。患者さんのそれぞれの症状に合わせた生活の指導や、薬物療法が治療の基本です。 ベーチェット病は、何かしらの原因で免疫が過剰に反応してしまい、炎症が起こることで様々な症状が現れる病気のため、過剰に反応してしまった免疫を抑える薬が使用されます。 炎症に対しては炎症を鎮める薬や免疫抑制剤、痛みがある時は鎮痛剤など、患者さんそれぞれの症状に合わせた適切な薬です。