元横綱・白鵬に“恩返し” 横綱の夢を断念した24歳の元力士...第二の人生も舞台は「土俵」 日本文化を発信する『相撲ショー』に出演
新たなスター「大の里」の快挙に地元・石川は大いに沸くなど、盛り上がる相撲界。一方、大阪・なんばでは、“相撲ショー”に出演する元・大相撲の力士たちが観客を魅了しています。横綱になる夢を断念した後も、彼らが第二の人生の舞台として選んだのは「土俵」。新しいエンターテインメントの舞台裏に密着しました。 【写真を見る】なんばパークスに作られた土俵 “相撲ショー”が見られる施設がオープン
元・大相撲力士による“相撲ショー” 訪日外国人に向けて日本文化を発信
去年12月、大阪府堺市の土俵では、“相撲ショー”を運営する「日楽座」のプロモーションビデオが撮影されていました。参加しているのは、元・大相撲力士です。 ショーの発案者は、武田直樹さん。有名ライブレストラン「ビルボードライブ」も運営していて、そのノウハウを生かして日本文化を発信したいと、相撲ショーを考案しました。 (阪神コンテンツリンク 日楽座開業プロジェクトチーム 武田直樹理事)「昨今、訪日外国人が多いですから、そういった方々に向けて、日本の文化を発信できるような、毎日見ていただける相撲のショーを立ち上げようとしています」
客席の1m先に土俵!?力士がぶつかる音を間近で体感
今年3月中旬、武田さんは日楽座の開業予定地「なんばパークス」を視察に訪れました。前のテナントが撤退した直後で、まもなく工事が始まります。 (武田直樹理事)「思ったより広い。天井も高い。土俵から1m下がったところにテーブルがあって、一番前の人が座って酒を飲みながらショーを見ることができると。この距離で力士がぶつかるのを聞くと、初めて見た人はびっくりすると思うんですよね。迫力がすごいので」 大相撲なら関係者席にあたる場所に客席を設置。本来ならあり得ない“客席と土俵の近さ”など、エンターテインメントだからこそできるこだわりを詰めこみます。
土俵は『木枠・断熱材』で製作…「レストラン」として営業するための工夫
視察から1か月。ホールの内装工事が本格化しました。組み立てているのは特製の土俵です。日楽座は「相撲レストラン」としての開業のため、衛生面や耐久性をクリアする工夫として、土を使わずに、木枠に断熱材を詰めて土俵を作ります。 工事の進捗確認の日、土俵の感触を確かめるため、力士もやってきました。 (元・伊勢ノ海部屋 菊池政彦さん)「ちゃんと土俵っすね。しっかりしてますね」 土俵の表面に張ったシートは、できる限り本物に近い見た目や摩擦力のある素材を選びました。ショーを演出するための照明や音響設備も整ってきました。 力士が裸足になって感触を確かめます。 (元・陸奥部屋 岡本将之さん)「固てぇっす。動きが派手な子はきついかもしれない。足とか壊れるかもしれない」 俵も床も本物より固め。慣れ親しんだ本土俵とは少し勝手が違います。 (岡本将之さん)「これだけがっちりしていないと、土俵が壊れる可能性が高いので、そう考えるとこれでもできます」 (菊池政彦さん)「これだけ音響とかもすごいので、音を響かせたり、いろいろ工夫して頑張りたいです」