「ただ格安なだけ」ではない、中長距離LCCの先駆け「スクート」は“要求が多い”日本人向き?
◆日本人は運賃が安くても要求レベルは“高い”
誰にとっても、運賃が安いに越したことはない。その中で、「LCCといえども、安全性はもちろん機内の快適さやサービスについて、特に日本人はある程度求める人が多いのです。その点でスクートは日本人旅行者が求めるニーズを満たしている中長距離LCCと言えます」と、ヤップ氏は強調する。 デビューから10年あまり、利用者の信頼を得て業績も伸ばしてきたスクート。LCCとして成功してきたのは、利用者から信頼されるに値するサービスなどを提供し続けてきたことに他ならない。 さらに、ヤップ氏はスクートの拠点が「シンガポール・チャンギ国際空港」であることも旅行者にとってメリットだと話す。 「アジアの主要都市だけでなく地方都市、南インド、オーストラリア、さらにアテネやベルリンなどにも就航しています。日本人にとって未知の場所へ行ける点でも利用価値が高いうえ、拠点のチャンギ空港は乗り継ぎ待ちが多少長くとも楽しめる設備が充実しています」
◆「差別化」が進むLCC、上手に活用して旅費の節約につなげて
現在、航空運賃の高止まりや燃油サーチャージの高騰などで、コロナ禍以降、海外旅行再開に二の足を踏む日本人は多い。円安や現地の物価高などの問題もあるが、航空券代を抑えられれば旅費の節約につながる。 FSCの場合、ANA、JAL、シンガポール航空など航空会社ごとに評価される。だがLCCはまとめてひとくくりにされることが多く、実際に乗るまでよく分からない、乗ってやっと「意外と普通に利用できた」と実感する人も少なくない。 中長距離線のLCCは、短距離線と異なり飛行機に乗っている時間が長くなるため、機内で我慢しなければならないケースに遭遇するとかなりつらい。それだけにLCC各社のサービスなどを事前にしっかり調べ、できる限り快適に過ごしたいものだ。
シカマ アキ