通販大手ベルーナ、ホテル事業を成長分野として強化、1年で2施設ペースの開業に意欲
アパレル・雑貨の通信販売を主要事業とするベルーナは、2025年に北海道の札幌と小樽にホテルをオープンする。ベルーナは、「グランベルホテルグループ」として、国内に22施設、海外に4施設を所有・運営(一部、運営委託)している。このうち、北海道では札幌や定山渓、洞爺湖、阿寒などで6つのホテルやリゾートを営業。2つの新規開業ホテルが加わることで計8施設・約2700室となり、同社によると北海道において最多客室数を展開するホテルグループになる。 新たに札幌にオープンするのは「SAPPORO HOTEL by GRANBELL(札幌ホテル by グランベル)」。JR札幌駅から徒歩約7分、そして2030年に開業予定の北海道新幹線札幌駅から徒歩約3分の場所に建つ、プレミアムクラスのホテルとして開業する。全605室の大型ホテルで、館内にはルーフトップレストランなどの飲食施設や会議室、多様な浴槽やサウナを備える温泉大浴場も設置。ビジネスからレジャー、MICEまで、さまざまな需要に対応する。開業は2025年4月中旬の予定。 小樽にオープンするのは「小樽グランベルホテル」。JR小樽駅から徒歩約15分、小樽運河などに近い場所に建つ、全159室のデザイナーズホテルだ。館内にはレストランやバー、小樽湾を望む露天風呂のある大浴場も設置する。開業は2025年7月の予定。
年2施設の開業に意欲
ベルーナは多角経営を推進しており、現在、アパレル・雑貨の通販以外にも、グルメ事業、呉服関連事業、データベース活用事業などを展開。ホテル事業は2006年に開始し、以降、自社開発やM&Aで拡張してきた。現在、不動産事業を含むプロパティ・ホテル事業の売上高は連結売上高の15.4%を占め、主力のアパレル・雑貨事業(シェア35.6%)、グルメ事業(同15.6%)に次ぐ規模に成長(2024年3月期)。その中心となっているのが、ホテル事業だという。 代表取締役社長の安野清氏は事業説明会で、プロパティ・ホテル事業を成長事業と位置付け、さらに強化していく方針。2025年3月期は、売上高は前期比14.3%増の366億円、営業利益は25.5%増の54億円を見込む。 安野氏は「自前で開発するケースもあり得るし、M&Aもある。方法は決めずにいろいろな形で、年間2軒くらいのペースで(開業を)チャレンジしたい。これを維持できる土壌づくりをしたい」と意欲を示した。
トラベルボイス編集部