どれくらい危険なの? 果物と野菜を洗わずに食べるのことの真実
絶対に洗うべきな野菜と果物とは?
すべての野菜や果物を洗うことを推奨するクレイグさんだけど、一部のものは少し特別な注意が必要だと言う。たとえばりんごは、残留農薬検査で陽性となることが多いため、米環境保護団体「エンバイロメンタル・ワーキング・グループ」のダーティ・ダズン(残留農薬がもっとも多い農産物の年間ランキング)のリストに入っています、と彼は話す。 バナナやアボカドのような皮の厚い果物でさえも、洗うことでメリットが得られる。「これらの厚い皮は、果肉が直接汚染されるのを防いでくれますが、切ったり皮を剥いたりするときに表面についた細菌が可食部に移る可能性があります」とクレイグさんは説明する。 じゃがいもやメロンのように表面がでこぼこしていたり、ざらざらしている果物や野菜は、狭い隙間についた汚れや汚染物質を取り除くために、より徹底的に洗う必要があるでしょう、と話すクレイグさん。また、葉物野菜やベリー類も土に直接触れていたり、手で触れられた可能性があるため、慎重に洗う必要がある。 さらに、リコールの最新情報に常に気を付けていると、大腸菌やリステリア菌は葉物野菜やハーブ類にとくに多く見られ、皮が硬い農産物ではサルモネラ菌のリスクが高いというパターンに気付くでしょう、とクレイグさんは指摘する。
洗っていない野菜や果物をたくさん食べるとどうなる?
汚染された農産物を食べると、食中毒を引き起こす恐れがあります、とアミダーさんは話す。これは数字ゲームのようなもので、「洗っていない農産物を食べれば食べるほど、体調を悪くする病原菌を摂取する可能性が高くなります」とアミダーさん。
野菜や果物の洗い方のコツ
食品安全のプロのように下準備するためのヒントをいくつかご紹介。 ・葉物野菜の洗い方 冷たい流水ですすぎ、葉を分けて汚れや菌を取り除く。ケールのような硬い葉野菜は、水を張ったボウルに数分間浸してからすすいでください、と話すのは、ジョージア州アトランタで活動する健康的な食品団体「C.H.O.I.C.E.S.」の健康推進者兼エグゼクティブシェフのアシュリー・キーズさんはアドバイスする。「よくある間違いの一つが、野菜や果物を早めに洗いすぎることです。これをすると、野菜や果物が早く傷んでしまうことがあります」とキーズさんは話す。「野菜は食べる直前、または調理する直前に洗うのがベストです」 ・ベリー類の洗い方 食べる直前に冷水で優しく洗う。水分が浸透して風味や食感が損なわれる可能性があるので、水に浸すのは避けてください、とキーズさんは話す。 ・野菜の洗い方 じゃがいもやにんじんなどの根菜類は、流水の下で野菜用ブラシを使ってこする。トマトやきゅうりなど皮が滑らかな野菜は、よくすすぐだけで十分です、とキーズさん。 ・果物の洗い方 りんご、ぶどう、柑橘類などの果物も流水で洗いましょう、と彼女は話す。メロンのように皮が厚い果物の場合は、皮から果肉に細菌が移るのを防ぐため、切る前に表面をこすり洗いするよう彼女は勧めている。 「よくある間違いの一つが、野菜や果物を早めに洗いすぎることです。それをやってしまうと、野菜や果物が早く傷んでしまうことがあります」と彼女は話す。「食べる直前、または調理する直前に洗うのがベストです」
translation : Mutsumi Matsunobu cooperation : Yumi Kawamura photo : Getty Images