将来の認知症を予防するために。日々心がけたい、12の生活習慣。
Q.もの忘れとは違うの?
名前がとっさに出てこない、どこにしまったか忘れることがつづくと、認知症の前兆? と不安が募る。 「もの忘れは部分的ですが、認知症は記憶がエピソードごとごっそり消えるのが特徴です。そして、指摘されても悪びれないことが多い。また、もの忘れをしてミスをしたという自覚があれば、まだ大丈夫です」(森さん)
Q.閉経後、気をつけたいことは?
女性が閉経すると女性ホルモン量が減少し、これまでコントロールできていた血圧や血糖値、体脂肪などが一気に乱れてしまう。 「閉経期だからと健康診断の結果や体調不良を放置せず、不調があれば専門医を受診しましょう。コレステロール値も上がりやすいので、運動習慣はぜひ取り入れ続けてください」(森さん)
【運動】気持ちよく体を動かすと脳がサビつかない。
五感をバランスよく使う運動は、日日のすこやかな暮らしにも、認知症予防にも効果が期待できる。 順天堂大学の軽度認知症患者の調査では、サルコペニア(筋量低下)の患者は、認知症の進行も早いという結果も。つまり、筋肉量を減らさないことは重要。 「人間の心臓は加齢とともに硬くなり、動きも鈍くなります。ところが運動することで全身に血液を送り出す“心室”に筋肉がつき、心臓の動きを助けてくれるのです。一日数回でもいいので、簡単な筋トレをしたり、歩数を少しずつ増やすなど、自分のペースで運動を始めましょう」(森さん)
◎毎日できるだけ8000歩を歩く。
アメリカで1万5千人を対象にした調査では、1日8000歩までは歩けば歩くほど寿命が延びたという論文がある。時速5キロで歩くとおよそ90分。 「やや早歩きにして、息があがるぐらいの速度で」(森さん)。 脳を活性化させるには、いつもと違うルートを歩くのもおすすめ。
◎ 最も効率的なのは 筋肉が大きい足腰トレ。
トレーニングで筋肉がついていると、血糖などを筋肉が取り込んで代謝もよくなるため、脳血管も丈夫になる。 「体で一番大きな筋肉が集中する足腰を鍛えるスクワットなどの筋トレを、毎日少しでも行うのが効率的。初めは5回ぐらいからでいいので、楽しく続けて日課にしてください」(森さん) [スクワット]