将来の認知症を予防するために。日々心がけたい、12の生活習慣。
【食事】ふだんの食生活を見直して脳の老化速度を落とす。
毎日の食事をおろそかにしては脳の老化も加速しがち。 森さんが認知症予防に推薦するのが「旬の野菜や果物をたっぷりと、肉よりも魚を中心にしたメインディッシュを選び、主食には未精製の全粒粉パンや玄米を混ぜたごはん。そこに少量の赤ワインを合わせた地中海食」だという。 地中海周辺で暮らす人々は糖尿病や高血圧などの生活習慣病が少ないことで知られていて、科学的なエビデンスもある。 「理想の食事は旅館の朝ごはんですが、塩分が気になるので、減塩の調味料を使ったり、オリーブオイルで調理するなど、工夫してみてください」(森さん)
\地中海食とは/
□ 果物や野菜をたくさん摂る □ 乳製品や肉よりも魚を摂る □ オリーブオイル、ナッツ、豆類を積極的に摂る □ 果穀物はミネラルが豊富な全粒粉など未精製を中心に
◎油に注目! 体にいい油を摂り、 悪い油を避けると脳がクリアに。
脂っこいものは体に悪い、太りそうと、油を一括りに〝悪者〞と決めつけないで。 「トランス脂肪酸などの悪い油を避け、オリーブオイルや菜種油、魚油などいい油を日常的に摂ると、脳血管性認知症リスクが下がります」(森さん)
◎ノンアルコールが基本。選ぶなら赤ワインを少量。
百薬の長といわれるお酒だが、認知症予防にはノンアルコールが原則だそう。 「お酒の種類を選ぶなら、地中海食にもある赤ワインを一日グラス1杯程度嗜むぐらいにしましょう」(森さん)
◎塩分過多になりがちな和食。カリウムでバランスをとる。
「じつは和食は健康にいいというエビデンスはありません」と森さんは注意を促す。味噌汁、漬物、煮物など、塩分が重なるばかり。 「塩分の成分、ナトリウムの排泄を促すカリウムを含む食物を意識して一緒に摂りましょう」(森さん)
◎健康な骨のために、ビタミンDで吸収力UP!
骨強化に小魚などカルシウムは摂っても、忘れがちなのがビタミンD。 「カルシウムを体内に吸収するにはビタミンDが必要。日光を15分以上浴びるか、ビタミンDが豊富なきのこ類やドライイチジク、卵を摂りましょう」(森さん)
【睡眠】脳をクリーンアップして記憶を整える。
睡眠と脳は深い関係がある。 「寝ている間に脳は、その日にあったできごとの記憶を整理したり、脳に溜まった老廃物を一掃させるのです。短期記憶を司る海馬から大脳の各領域に記憶を移動して長期保存していきます」と森さん。 年齢を重ねると、寝つきが悪くなったり、眠りが浅くなりがち。 「遺伝子的にショートスリーパーも、ロングスリーパーもいますが、平均すると7時間前後の質のいい睡眠をとることが、脳のためにも、生活習慣病を予防するためにも大切です」(森さん)