浅葉翔平「失敗は“時を超えるボケ”と思えば挑戦できる」OCEANS AWARD受賞者インタビュー
離職率の高い業界にあって、23年度の離職率は6%と圧倒的な低さをみせるのがホテル業やレストラン業を中心に展開する企業「プラン・ドゥ・シー」だ。最近ではハーバード大学も注目をし、同社のウェルビーイングについて研究を行っている。 ときに笑いを交えながら、関西弁で分け隔てなく話す代表取締役の浅葉翔平さんの姿は、同社の居心地の良さの象徴とも思える。
「ただ、僕のライフワークバランスは、ワーク9割で、ライフは1割。ありがたいことに僕らの仕事は、すべてのことがほぼ仕事のアイデアに繋がるので、それも含めて9割が仕事。右脳を使っている間はずっと仕事だと思っています。残りの1割は子育てですね」。 しかも浅葉さんにとっては、仕事がハードワークであるほど、ウェルビーイングだと話す。 「サウナみたいなもので、高い温度で仕事をするほど、子供と一緒の時間が充実して、“ととのう”感覚があるんです。サウナも水風呂も中途半端な温度だと、ととのわないでしょ?」。
自分ではしない選択をあえてすることで世界を広げる
社長業の忙しい日々の中で、心を軽くするために取り入れているのが散歩だ。と言っても、浅葉さんの散歩は、ちょっと変わっている。オンラインミーティングを散歩の時間にしているのだ。 「歩いている方が集中できるし、運動にもなる。重要な会議なら、スマホから議事録も取れる時代ですから、ぜひ試してほしいですね」。 散歩で意識をしているのが、ルートを決めず、あえて知らない道を選ぶこと。 「人生は細かな選択の連続ですよね。そこで同じことを選択しては自分の世界は広がらない。散歩の道もそうだけど、例えばレストランでもあえて自分では絶対に選ばないメニューを頼んでみる。そうすると自分の世界がぐっと広がった感覚があって、その瞬間に幸せを感じるんです」。
だが、人は失敗を恐れるもの。いつもと違うことを選択する怖さはないのか。 「失敗だって経験になりますから。あと僕、落ち込まないようにする技が1つだけあって。それはすべてのことを『時を超えるボケ』だと思っているんです。中学生のときの失恋を今でも引きずっている人っていないじゃないですか。むしろ、なんであんなことしたんやろ? と、振り返るとめちゃくちゃ面白かったりする」。