"だらし内閣"集合写真の修整が「雑すぎる加工」になったお粗末すぎる背景「スタッフ層の薄さが原因」
「だらし内閣」――。新内閣が発足するや、早速付けられてしまった不名誉な呼称である。 ■【画像】“だらしない”集合写真を”拒否”した元首相が「スーツ姿完璧」トランプ前大統領との2ショット 自民党・石破茂総裁(67)が首相に指名され、10月1日の夜にスタートした新内閣。官邸で撮影した首相と閣僚らの集合写真が公開されるや、その緊張感のなさから命名されたもの。今回の写真が表に出た経緯について、永田町関係者が指摘するのは“人材の層の薄さ”だ。 まず世間を呆れさせた“だらしのない集合写真”について。元全国紙政治部で、駆け出しの頃はカメラマンも兼任していた男性記者(50代)が解説する。 「最前列中央に石破首相。首相の向かって左側には中谷元防衛相(66)、斉藤鉄夫国交相(72)、右側に林芳正官房長官(63)、村上誠一郎総務相(72)が並んでいるのですが、まず石破氏と中谷氏のお腹がチラリと覗いている。シャツかと思いきや、拡大するとシャツの色味とは異なるため、もしかすると素肌が出てしまっていたかもしれません。さらにその2人の着用しているパンツは明らかにサイズが合っておらずヨレヨレ。報道写真のなかには石破氏の口元が半開きになっているものもありました」 複数カット公開された“新内閣ショット”では、ネットユーザーから石破氏のメガネがブランドロゴが入ったダミーレンズのままだったことも発見される始末。何から何まで緊張感のない姿に、Xでは 《町内会の旅行の集合写真みたいで何の威厳もない》 《疲れ切ったおっさんの集合写真内閣》 《最前列みんなメタボ?》 などといったツッコミが噴出するなか、官邸HPでは“腹出し”部分を修正した写真が上げ直されたのだが、式場などでよく集合写真を撮影するカメラマンにレタッチビフォーアフターを見てもらうと、「かえって不自然になってしまっている」と苦笑いだ。
■レタッチがかえって不自然になってしまったワケ
前出のカメラマンが続ける。 「レタッチは本来その人をより美しく見せるもので、披露宴などでは当たり前の作業です。今回パッと見てレタッチをしたことがわかるのは、石破さんと中谷さんのお腹部分ですが、雑すぎる。パンツの股上部分をモーニングコートのボタン部分まで引き伸ばしているので、不自然なほどウエストが上にあるように見えてしまいます。 お腹だけでなく、モーニングでは本来着用しないベルト部分も同時に隠したかったからこういうことになったのでしょうけど、むしろ加工感が増しています。中に着ているであろうベストも合わせて上手に加工すればよかったのに。 また、レタッチするなら斜めからのカットも修正していいはずですが、そちらは放置。あくまでも正面写真のお腹部分だけにとどめたので、正面カットと斜めからのカットで見え方が異なる羽目になっています」 カメラマンは、「そもそも撮影自体の技術以上に、足りなかったのは“気遣い”部分」だと言う。 「集合写真を撮る時は、全員の顔と目線が揃うように声がけをしたり、顎を引いて、口を閉じてなど、細かくディレクションします。シャツが出ていたりネクタイが曲がっていたりすればその場でなおしてもらう。メガネのレンズについても、光らないようにする、目が閉じていないかなどを必ず確認するので、ロゴが入っていれば気が付かないはずはないんです。それが一生に一度の記念写真ならなおのこと、細かい注意を払います。 ただ今回初入閣が多いとはいえ政治家としてはベテラン揃い。スタッフ側に“政治家生活も長いんだから、当たり前に撮影時の所作も知っているだろう”という甘えがあったか、気づいていても注意しづらかったのかもしれませんが……」 ちなみに現場には報道カメラマンもいるが、前出の政治部出身記者は「報道はグラビアなどと違ってそのままを写すことが使命でもあり、声がけをすることは基本的にない。また、マスコミはむしろ変な写真を“おいしい”と思うかもしれない」と話す。つまりはオフィシャル側がキチンとしろということだが、ある永田町関係者は「悲惨な写真が世に出るまでに、3回気づくチャンスがあった」と言う。 「まず、秘書をはじめとした周囲の人間ですよね。身だしなみや服装のチェックができていない。石破さんはパンツをベルトで締め、さらに裾が余っていましたが、モーニングではパンツにベルトは使わずサスペンダーで吊るのが基本です。慌てて用意したとしてもサイズがダブダブで、あまりにお粗末です。 2回目の修正チャンスは、オフィシャルカメラマンです。服装などどうしようもないこともあったにせよ、現場で調整できることはあったはず。本人に言いにくかったら秘書に指示を出してもいい。そして3回目、最後のチャンスは広報でした。広報チェックで気がついていれば、公開した後に修正するなんていうダサいことをしなくていい」