8600円で買った「ジャンク品」が5万円に…!全国のハードオフを“完全制覇”した「愛好家」が、いまも日本中を飛び回るワケ
パソコン、オーディオ、カメラ、ゲーム、楽器等の中古品の買取・販売を行うハードオフ。運営元のハードオフコーポレーションの業績が絶好調だ。5月に発表した2024年3月期通期決算では、過去最高である301億円の売上高を記録。さらに営業利益、経常利益、純利益いずれも過去最高を更新した。特に本業の儲けを示す営業利益は前期比21.3%増の28億円と成長著しい。 【写真】えっ、こんなガラクタがお宝に…ハードオフのジャンク品を一挙大公開! 前回記事『ジャンク品なのに…初代ソニーウォークマン、15年前のデジカメ、黒電話が次々売れていく! ハードオフ店内で目撃した「驚きの光景」』では、実店舗に並ぶジャンク品の売れ筋や驚きのエピソードについて、ハードオフコーポレーション東京1エリア統括店長の若松優一氏に話を聞いた。 本記事では、ハードオフのジャンク品をこよなく愛する人物に話を聞く。取材に応じてくれたのは、ハードオフ非公式ファンサイトを運営するTAJI(たじ)さんだ。
ジャンク品目当ての行列ができるワケ
TAJIさんがハードオフに通い始めたのは20年以上前のこと。レトロPCやレトロゲームの収集が趣味で、これまで購入したほとんどのジャンク品がそれらに関係するものだという。では、なぜジャンク品に魅了されてしまったのか。 「僕にとっては宝探しなんです。あくまで持論ですが、ハードオフで売られているジャンク品の8割は動きます(笑)。しかも通常の中古品より割安なのでお買い得。僕のようなコレクターにはとてもありがたい。 中には、価値が何倍にも膨れ上がる商品も紛れ込んでいたりもします。例えば、世界で最も売れなかったとされるピピンアットマークというゲーム機。2017年に8640円のジャンク品として購入したのですが、商品説明には書いてなかったモデムとキーボードが付属していて、さらに自宅で確認したら普通に動きました。 現在の相場では、全部合わせて少なくとも5万円程度で売れるようです。買った時に比べて約6倍の価値になっています」(TAJIさん) ハードオフの新店舗オープン日には、100人超の行列も珍しくない。さらに、そのほとんどの客が我先にとジャンクコーナーを目指すという。素人には理解が難しいこの不思議な現象についても、TAJIさんが解説してくれた。 「おそらくオープン祝いなのでしょう。ジャンク品がさらに安くなっているケースが多いんです。『値付けを間違っているんじゃないの? 』と思ってしまうほど安い商品もごく稀に見かけるので、余計に宝探し要素が強くなります。 さらに新規オープンするハードオフには、品揃えを充実させるために全国の店舗から通常の中古品やジャンク品が集まる。珍しい商品が混ざっている可能性が普段より高まります」 ハードオフコーポレーション東京1エリア統括店長の若松優一氏が補足する。 「新店舗がオープンする際、全国10店舗以上からジャンク品を送ってもらいます。実はこのとき、珍しいジャンク品を1つは混ぜてほしいと各店に頼んでいる。そのため普段見かけないような商品が多く揃うというわけなのです」