クルド人と過激ヘイト 「仮放免者にも就労を」 川口市で見えた外国人政策の課題【報道特集】
温井立央さん 「実際に何かされたというよりは、ネットの情報を信じてることが多いんですね」 一方でボランティアに参加する人は増えているという。一見してとても若い女性がいたので話を聞いた。 少女 「きょう初めて参加しました。高校1年生です。クルド人をテーマにした本を読んで、私も何かできることはないかなと…皆さん日本を好きになってもらって、色々な人と共生できたらいいなと思っています」 はにかんだような笑顔に救われた気分になって、教室を後にした。 ■問題の根幹は? 川口市長が異例の要望 人口の8%近く、4万5000人の外国人が住む川口市は生活サポートに力を入れている。市役所で取材をしていると、様々な外国人がひっきりなしに来る。職員や市民にとっては日常的な風景なのだろう、相談を受け、案内する様子はスムーズだ。 そんな川口市のトップは、クルド人へのヘイト行動をどう見ているのか聞いた。 川口市 奥ノ木信夫 市長 「非常に迷惑だと思っています。川口の誰々がやっているという話は聞いたこと一回もがないですから」 一方で市長はクルド人が日本社会に馴染むのに時間がかかっている、とも感じているという。病院前の乱闘事件のあとには、国に入国管理制度、なかでも「仮放免」を軸にした異例の要望を出している。その第一には、こう書いてある。 「不法行為を行う外国人は、法に基づき厳格に対処(強制送還等)していただきたい」 そして第二に「仮放免者が、最低限の生活維持ができるよう(中略)、就労を可能とする制度を構築していただきたい」ともある。そこには川口のこんな事情があるという 川口市 奥ノ木信夫 市長 「川口は3Kの仕事が多いのですが、その一翼の解体工事を担うのはクルド人が多いのが実情です。日本の若い人で3Kの仕事につくかというと、ほとんどいない。真面目なクルド人もたくさんいるわけですから、きちんと就労してもらえれば、その人たちも、変な行動はしないようになると私は思っています」